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    shiro_pigeon

    @shiro_pigeon
    五伏・乙棘小説を書いています。
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    付き合い立ての五伏バレンタイン小説

    #五伏
    fiveVolts
    #バレンタイン
    valentine

    You are my Valentine2月14日…バレンタイン

    僕にとってそれは特別重要な日では無い。
    バレンタインに女性がチョコを贈るのは、
    日本独自の文化だし、
    そもそも大手チョコレートメーカーが考えた戦略だ。
    でも、毎年…

    「毎年すごい量ですよね」

    恵に言われて、自分のデスクの上を見る。
    山盛りに積まれた、
    可愛らしくラッピングされた箱の数々…。

    「ここ最近は任務の度に貰うんだよね〜」
    「お返しが大変ですね」

    淡々と答える恵に聞こえないように、
    こっそり溜息を吐く。
    今年の4月に恵が高専に入学する…
    その前にと僕から告白をして、
    先月晴れて恋人同士になった。
    …はずなのに…
    チョコの山を見て嫉妬もしてくれない。
    本当に僕の事が好き?
    なんて…大人気ないセリフを言っちゃいそう。
    それどころか…

    「恵も毎年、チョコ貰ってたよね?今年は?」
    「貰って無いですけど」
    「あ、そうなんだ〜!」

    僕ったら気にし過ぎてキモい発言してる〜!
    バレンタインの度に、冷や冷やするんだもん…
    恵に彼女が出来たらどうしようって。
    余裕無いな…僕。
    こんな気持ちにさせるの恵くらいだよ。

    「五条先生?大丈夫ですか?」
    「あ…ごめん。考え事してた」
    「…そうですか…では、俺は部屋に帰ります」
    「え!?泊まらないの?」
    「はい、帰ります」

    素っ気なく帰ると言う割には、
    何だかそわそわしているような…。

    「恵?何か言いたいの?」
    「あ…いえ…」
    「ん?」

    両手を握って顔を覗き込めば、
    ふいっと目を逸らされる。
    あ…これは…
    何か隠している仕草だ。

    「めーぐーみー?」
    「…」
    「僕には言えない事?」

    真剣な眼差しで見つめると、
    恵は眉を寄せて顔を伏せた後…
    僕の手を離して、
    静かにポケットに手を突っ込む。
    え?改まって何?怖いんだけど…
    まさか…別れ話とか?
    サーっ…と青くなる僕を見て恵は…

    「これ、あげます」

    と缶コーヒーをポケットから取り出した。

    「へ?」
    「毎年チョコを沢山貰うから…口直しに…」
    「あ…ありがとう」
    「あんた、甘党だし…必要無いと思ったけど…その」
    「うん?」
    「一応…これが…俺からのバレンタイン」

    小さな声で呟かれた最後の言葉に、
    僕の心は光で満たされる。

    「バレンタイン!?恵から!?」
    「…缶コーヒーですけど」
    「関係ない!関係ない!部屋に飾るよ!」
    「いや、飲んでください」

    まさか貰えるなんて思わなかった。
    あの恵から!感動で胸がいっぱい!

    「恵〜!」
    「か、帰ります!」
    「帰す訳ないでしょ〜」

    恥ずかしくて帰りたがる
    可愛らしい恋人を抱きしめて、ソファーに座る。
    全くもう!この子は!

    「お返しは何が良い?腕時計?」
    「先生って等価交換の概念無いですよね…」
    「あー幸せ」

    笑いながらチュッてキスしたら、
    恵は少し驚いた後に、
    照れ臭そうに微笑んだ。

    何だ…僕達こんなにラブラブじゃん!
    バレンタインなんて日本の文化、
    大手チョコレートメーカーが考えた戦略。
    だから何?バレンタイン最高。
    手のひら返しの自分に呆れながら、
    今度はゆっくりと…
    目の前の愛しい恋人にキスをした。

    fin
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    たんごのあーる

    TRAINING5月9日はアイスクリームの日。
    あまくてとけてるヤツが書きたかった。。。
    任務完了後、寮に一番近いコンビニで降ろしてもらった2人は、迷うことなくお次々とお菓子をカゴにいれていく。チョコ、ポテトチップス、キャンディー、菓子パン。小さなカゴはあっという間にいっぱいになる。
    「なぁ、傑。アイスも買おうぜ。」
    と、ショーケースの中を覗き込む悟に、3つまでね、といい、もうひとつカゴを取って、飲み物を放り込んでいく。
    硝子に頼まれたものを含めて、流れるように会計まで済ませると、ひとつを五条に手渡した。さっそく袋の中を漁る五条に、お店出てからだよ、と言い聞かせ、もうひとつの袋と、自分用のアイスコーヒーを受け取ると、夏油も後を追ってコンビニを出た。
    五月晴れの眩しい空の下、さっそく買ったアイスを開ける五条を横目に、アイスコーヒーを口にする。
    「頼まれたもん、買ったよな?硝子怒らせるとおっかねぇから。」
    「ちゃんと買ったよ。袋、もらって分けとけばよかったかな。」
    「問題ないだろ。どうせ、傑の部屋に集まるんだし。それにしても、今日暑いな。箱のアイスも買っときゃよかった。」
    そう言いながらアイスを頬張る横顔に、任務が終わったことを実感し、遂行した安堵がようやく押し寄せる。今日の呪 972