空桑ヤクザ騒動暗く冷たい床に、私は転がされている。
暗い、というのは目を布か何かで塞がれているからで、体は縛られて身動きが取れない。それどころか動けば動くほど締め付けられている気がする。
「ん!んんっ!」
直前まで私は、食魂たちと一緒に漫画を読んでたっけ。えーとそれから……
すると突然ぱあっと光が入る。私は眩しさのあまり目を細めてそれから数度、瞬きをした。
「姉ちゃん、気がついたか」
大きめなサングラスに柄物のシャツを着た男がニヤリとこちらを見下ろす。
周りを見渡せば、似たような服装の男たちが私を囲んでいる。
私は口を塞がれてるため、喋ることも許されず、ただただ呻くことしか出来なかった。
「まあまあ落ち着いて。ほんの少しお話をするだけですよお嬢さん。この方の服に料理を零してしまったことについて、いくつか話し合わなければなりませんからね」
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