文披31題・夏の空閑汐♂祭:Day30 掲示板に貼り出された知らせをまじまじと見つめていた汐見は、隣に立つ空閑へと視線を向ける。
「どうする」
「どうせならヴィン達と合わせたいよねぇ」
空閑の答えに頷いて、再び掲示板へと視線を向けた汐見は貼り出された用紙に指を滑らせた。そこに書かれていたのは、ドイツ本校の新入生受け入れ日程と直行便のスケジュールで。
「新学期は十月からでも、早めに行って生活に慣れておきたいよな」
「あと言葉ね、俺もアマネも英語は行けるけどドイツ語は微妙だし」
「ちゃんと学内に希望者向けの語学スクールあるし、それに向けて行く感じか」
手厚いな。感心したように笑う汐見に空閑も口元に弧を描き頷いて。そんな二人に明るく声を投げたのはフェルマーだった。
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