1、太陽と炎が合わさる所本来であれば、人生で今日程幸せな瞬間は無いはずだった。
はずだったのだ。
「…なんだ、コレは」
目の前にいる夫は、汚物でも見るような目で私を見ている。
軽蔑の眼差し。
それに堪えられず、思わず下を向き震える。
すると今度は盛大な溜息。
ビクリと肩を震わせた。
「質問に答えるんだ。なんだ“コレ”はと聞いている。」
恐る恐る見上げれば、夫が更に目を細めて怪訝そうに見ながら指さしをしていた。
指をさした先にあるもの…
私の子…
生まれたばかりの私達の子供だ。
本来であれば、この子の誕生に誰もが喜ぶはずだった。
夫だって、誰よりも楽しみにしていたはずなのに…
「こ、この子は間違いなく杏寿郎様との子です信じてください」
「そんなはずが無い。こんな髪色の子など…今まで煉獄家で見た事も聞いた事も無い。観篝だってしっかり行われたのた。あるはずがない…俺の子など…有り得ない」
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