長義くんのあれやこれ。【くにちょぎ・にゃんちょぎ】辺りの空気が引き締まり、ふわりと顕現された白山吉光はまるで機械のように抑揚の無い声で、静かに口上を述べた。
【タイトル未定】
白山の顕現に立ち会ったのは、近侍を務めていた初期刀の山姥切国広。
常ならば、少し話をしたところで近侍や近しい者に案内を頼むところだが、挨拶を兼ねて話があると主と共に執務室へ行き、小一時間程出てこなかった。
その後、淡々と案内する国広に控えめな相槌を打ち、これから共に生活をする面々と挨拶をしながら本丸を一周する頃、転送ゲートから帰城を報せる鈴が鳴り響く。
どこかソワソワした国広は「部隊が帰った、声を掛けておこう」と白山を連れて正門へ向かった。
少し離れたところに帰ったばかりの一部隊が見え、そこで「本歌」と小さく、けど確実に嬉しそうに国広が呟いたのを、白山は聞き逃さなかった。
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