『どこまでもふかく、きみと一緒に』「なあ、明日は外食でもしようぜ?たまにはいいだろ」
ふと思い立ってかわいい恋人をデートに誘ってみたというのに、返ってきたのはつれない答えだった。
「ごめん、夜コンビニのバイト入れちゃってさ。人足りないって言うから、引き受けちゃったんだよね」
「はあ?前もンな事言って無かったか」
「うん。まあ、この時間その分時給もいいしね。明後日は3限からだから、遅くなってもなんとかなるかなって」
…全く。お人好しも大概にしろよ。折角の誘い断りやがって。
何となく面白くなくて、オレはふと、こんなことを聞いてみた。
「なあ。暁人クーン。オレとバイトと、どっちが大事なんだよぉー」
「…は?」
突然の言葉に、文字通り目をまん丸くして、皿洗いを終えたばかりでエプロンを外す手が止まる。
1529