25日の贈り物 その年、乾青宗は初めてサンタクロースからプレゼントをもらった。
二十四日は両親からプレゼントをもらう。たいていは本を貰う。それじゃなかったら、筆記用具。辞書なんていう年もあった。
図書館に通うくらい本が好きな姉・赤音はほっぺたを赤くして「すごくうれしい!」と感謝を述べるが、読書家でもなんでもない乾はちっとも嬉しくない。よかったのは図鑑くらいで、趣味じゃない児童書(「クロネコサンタの大冒険!」「ミイちゃんの不思議な杖」)なんてもらっても、一度も読まずに積んであるくらいだ。だから幼馴染の九井に「イヌピーはクリスマスになにが欲しい?」と聞かれても、「なにもいらねー」と答えてしまった。九井は目を丸くして乾を見る。
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