ちょんと一緒1寒室にて、閉関中の藍曦臣は戸惑っていた。
目の前にいるのは、手のひらに乗るくらいの小さな江晩吟が見上げてきているのだ。
「ええっと、江宗主ですか?」
「ちょん!」
「……江晩吟?」
「んーん!ちょん!!!」
首を横に振る小さな江晩吟に、困惑しながら「ちょん?」と声をかけてみた。
すると「ん!!」と満足気にうなづいたと思うと、ととと……と足音を立てて、藍曦臣の懐に入ってくる。
「ちょん?」
「しー」
人差し指を口元にあてると、静かにしろと言う。
すっぽりと懐に入った瞬間、寒室の前で「どこに行った!」と声が響いた。
「静かにしろって」と宥める声や「江宗主、落ち着いてください」と、魏無羨や藍思追の声が聞こえてくる。
「落ち着いてられるか!!」といつにもまして、怒気が含まれていた。
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