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    もぐ🍣

    @kisn_dn

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    そういう強めの描写はないですがそもそも特殊設定なのでご自衛下さい。
    今後用の叩き台です。

    #丹星
    Danstelle

    ケーキバース丹星 獣のような荒い呼吸が聞こえる。目の前にいる青年──丹恒は星がその姿を驚いたように見ていることに気づくと普段は見せない乱暴な仕草で肩を強く押した。
    「でていってくれ」
     震える声の懇願だと星は理解したが、動かない。呼吸をするたびに丹恒の表情は険しくなり、ずるりと崩れ落ちると大きく口を開け自分の腕へと噛みついた。ぼた、と血が流れても気にせずにただ星がいなくなる時間を稼ぐ為にされて行為。……星は己が『ケーキ』と呼ばれる存在で、丹恒が『フォーク』なのだと知ったのはつい最近のことだった。降り立った惑星で変な絡まれ方をする、とは思っていたものの振り返ればいつでも丹恒がそれから庇ってくれていた気がする。遠ざけられ、ひた隠しにされていたものがこうして明らかにされたのは丹恒が列車の中で星をあからさまに拒絶するようになったからだ。アーカイブを見る為に資料室へ入る事も拒まれ、食事すら共にすることがなくなった。それがおかしいと当然気づいた星は最初はなのかに、次はパムに、そうして最後姫子とヴェルトに一つずつ答えをもらって、辿り着いた。
     星核を宿すこととなったよくわからない存在である自分にもそんなものが割り当てられるのだと不思議な気持ちになりながら星は丹恒と視線を合わせる為に膝を折る。逃げない星に丹恒の表情は絶望したようなものに変わって、腕から外れ血のついた唇がはくはく言葉なく動いた。
     丹恒という理性がフォークの本能と戦っている。本当に自分を丸ごと食べ切ってしまうかもしれない存在なのだと思いながらも星はその唇へ自ら指を差し出し、薄く開いたものへ押し込んだ。反射で食いちぎろうとした丹恒の歯が指へ食い込むが少しずつ緩み、そしてぬるりと熱いほどの舌先がその表面を撫でる。
    「私、何味?」
     ケーキという存在は個体毎に味が異なるらしく話を聞いてからずっと気になっていた質問を投げると丹恒は星の指を引き抜き、血を上らせた顔で怒りを叫ぼうとしてそれを飲み込み顔を覆って俯いた。
    「……しらない、なる前にあじわったことがない」
    「そうなの。残念」
     丹恒の唾液に濡れた指へ口付けるが当然星は自分の甘さなどわからない。
    「どうしてこんな馬鹿なことを」
    「丹恒もどうしてこんな風になるまで黙ってたの」
     普段はあまりまじまじと見る事のないつむじを見ながら星がそう返すと丹恒はそのまま言葉を無くして黙ったままだ。もちろん丹恒が過去から逃げ出すのに星穹列車という存在ほど適したものはない。けれど、最悪降りる事も出来る立場だ。丹恒という男は、いつだって冷静に物事を考え、最善を選ぼうとする。けれど、何も言わずに『ケーキ』の星を『フォーク』の悪意から守り切りこうして限界になっても本能を抑え込もうとしていた。
    「丹恒」
     ちいさくなっている男の体を包み込む。
    「たぶんもうおんなじ気持ちで、運命共同体だよ私たち」
     いつか、なら丹恒に全部をあげても良い。けれど辿り着きたいエンディングまでまだまだ先だ。
     砂を喰むような味覚を満たす為食べるのは簡単だ。けれどその眩さが目の前から消えて欲しくない。
    「一緒に生きよ。大変なのは丹恒だろうけど」
     ね、と言うと星の腕から逃げ出すように丹恒の体が起き上がる。まだケーキの誘惑に蕩ける瞳。それでも、間違いなく『丹恒』は勝っていた。だから褒美のように星はちぅ、とその薄い唇に自分のものを重ねて……また距離を取るように肩を強く押されたのだった。

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    もぐ🍣

    DONEそういう強めの描写はないですがそもそも特殊設定なのでご自衛下さい。
    今後用の叩き台です。
    ケーキバース丹星 獣のような荒い呼吸が聞こえる。目の前にいる青年──丹恒は星がその姿を驚いたように見ていることに気づくと普段は見せない乱暴な仕草で肩を強く押した。
    「でていってくれ」
     震える声の懇願だと星は理解したが、動かない。呼吸をするたびに丹恒の表情は険しくなり、ずるりと崩れ落ちると大きく口を開け自分の腕へと噛みついた。ぼた、と血が流れても気にせずにただ星がいなくなる時間を稼ぐ為にされて行為。……星は己が『ケーキ』と呼ばれる存在で、丹恒が『フォーク』なのだと知ったのはつい最近のことだった。降り立った惑星で変な絡まれ方をする、とは思っていたものの振り返ればいつでも丹恒がそれから庇ってくれていた気がする。遠ざけられ、ひた隠しにされていたものがこうして明らかにされたのは丹恒が列車の中で星をあからさまに拒絶するようになったからだ。アーカイブを見る為に資料室へ入る事も拒まれ、食事すら共にすることがなくなった。それがおかしいと当然気づいた星は最初はなのかに、次はパムに、そうして最後姫子とヴェルトに一つずつ答えをもらって、辿り着いた。
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    もぐ🍣

    DONEアル蛍が手を絡ませるだけの話
    アル蛍 旅人はソファに座る自分の左手に伝わったちょん、という小さな衝撃に大袈裟なほど肩を震わせた。その様子に隣へ腰を掛けたアルベドは小さく笑う。開いていた距離が少しだけ詰められて、自宅故空気に晒されている肌が逃げようか迷う旅人の手を捕らえた。──しかし、捕らえたと言ってもリシュボラン虎のように獰猛に上から喰らい付いた訳ではない。ただ、先ほどと同じようにちょんと中指の先をぶつける。旅人の反応は先程よりも鈍い。縦長の整えられた爪の形を確かめるように撫で、ゆったりアルベドの手は旅人の一回り小さな手を覆っていく。はふり、と我慢するような吐息を聞きながらアルベドは包んだ手のひらとソファの間に自分の指を食い込ませた。最初は頑なで、中々開かない隘路。いや、入り口が完全に塞がれた洞窟だったが指の腹がやさしく隙間を撫でているうちにそこは口を開けた。いいこ。それは普段はクレーに使う褒め言葉だ。告げながらアルベドは緊張からか少ししっとりとしている手のひらを一本、二本と間に滑り込んだ指で押し上げる。ソファに押し当てていた手のひらはもういつの間にかアルベドのものだ。ふるり、と旅人の身体が小さく揺れた。何も言わずに四本の指でただ支えていたのを少しずつ変えていく。アルベドだけが旅人の指の間へ絡みつき、その谷間へ深く沈み込んだ。隙間など無いように強く沈んだものに捉えられた旅人の指先は初めてピンと伸びていたのに、第二関節がかくんと動いて垂れ下がる。何度か抗うようにまた上向いて、……そうしていつしかゆったり力無く倒れ始めた。アルベドの肌に旅人の指の腹がぶつかる。さり、と爪はかけずに引っ掻いているのを見下ろさず、アルベドが星海の瞳で覗き込むのは潤んだ蜜色だ。
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