I was born (血は水よりも、或いは:婚前おじおばばか双傑)「阿凌」
腕の中の幼子はあたたかくずっしりと重い。小さな手足を丸めて眠り込んでいるのを見ていると自然と口が笑む。
「江澄は叔母馬鹿だな」
「魏無羨!お前だって姑蘇から飛んで来たくせに言えた口か⁈自分のそのにやけた顔を鏡で見てこい」
意地の悪い笑みを浮かべる兄に考えるよりも先に憎まれ口を叩いてしまうが少しも気分を害した様子はない。
「俺だって叔父馬鹿だな。こんなに可愛い子はどこを探したっていない」
「そうだな」
今度は素直に頷けた。
「でも同じくらい可愛い子はいるだろうな」
笑んだ口から放たれたその言葉は江澄の導火線に火を付けた。
「阿凌が世界で一番可愛い!同じくらいなんているわけない!」
「おまっ、どんだけ叔母馬鹿なんだ⁈それこそお前ほどの叔母馬鹿こそ世界を探したっていないよ」
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