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    アゲハワークス

    @monica7_seven

    すらいむです。
    しばらくはジャンおみのみになります。中の人はリバも美味しくいただきます。
    本編ネタバレに繋がる内容があるので、ご注意ください。
    リスイン限定のものがあるので、そちらはX(Twitter)にて申請お願いします。

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    アゲハワークス

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    スパダリ目指して挫折。
    でも伊達男にはなったはず。
    甘々な甘々。

    #ジャンおみ
    janmi

    【and】少年と伊達男est venu te chercher
    迎えに来た

    正門前で長い金髪をなびかせたクールな美丈夫は、見たことのないような、にこやかな笑顔で優に手を振った。

    今日の午後には任務を終えたジャン・ジャックモンドが日本に着く。
    優はソワソワしながら、昼を終えた。
    本当は今すぐ帰りたい。会いたい。
    だが学校にも居たいジレンマ。
    とりあえずは学業を優先させようと、大人しく午後の授業を受けた。

    ホームルームも終わり、クラスメイトと雑談しながら窓の外を眺めれば、そこには見慣れた長い金髪が風になびいていた。
    「ジャン…」
    驚いて固まった優にクラスメイトが心配をする。
    「わりぃ、急用」
    優はカバンを引っ掴み、廊下を駆け抜けた。

    正門に辿り着けば、やはりそこにはジャンがいて。本当は飛びついて抱きつきたい所をぐっと堪える。
    学友達はたまにこうして迎えに来るジャンに見慣れてきたとはいえ、そこに立つイケメン外人は目立つ。皆がチラチラと見ていく。
    しかもわざとらしくフランス語で、迎えに来たなどと言う。
    その上に
    「ユウクン ヲ ムカエニ キタヨ」
    片言の日本語でもう一度言う。大事な事か。大事な事だから二回言ったのか。
    お前もっと日本語出来るだろ、とは言わない。
    しかもユウクンとか。何それ。ちょっと怖い。
    「俺バイクなんだけど…」
    「置いてけよ。朝も送ってやる」
    有無を言わせない物言いだが、置いたままにならないのであれば構わない。
    「せっかくこの俺が迎えに来てやったんだ、感謝しな」
    一言多い。口が悪い。
    だが早くジャンに会えた事は嬉しくて、優はつい顔が緩んでしまった。
    「行くぞ」
    ジャンは優の手を掴むと、ロングコートをひるがえして、車へとエスコートする。
    その仕草だけはスマートだ。
    助手席を開けて、優が座ればドアが静かに閉まる。
    ジャンは運転席に座ると、チルドカップを手渡した。
    「熱いから気をつけろよ」
    そう言われひと口飲むと、温かなソイラテ。少し甘め。
    優の好きな味だ。
    まだかなり温かいという事は買ったばかり。タイミングが良すぎる。
    こういう所がさすがというか、そつがない。
    ジャンもコーヒーをひと口飲み、車のエンジンをかけた。

    ゆっくりと発進するスポーツカー。
    ジャンの瞳の色に似た青い車だ。
    「何処行くの?」
    「決めてねぇ。とりあえず着替えに帰るだろ」
    頷けば、車は優の住むマンションへと向かった。
    優の部屋はアーカム所有だ。というよりビルそのものがアーカム所有である。なので他の部屋にはアーカム関係者が住んでいたり、他のフロアには短期使用の部屋もある。
    当然セキュリティも万全だ。マンションバトラーも居る。
    優の部屋は最上階の10階だ。

    ジャンの車が慣れた手付きで、地下駐車場に向かう。
    「あがるだろ?」
    日本では車に乗らない(乗れない)優のために用意された地下駐車場の一角は、ジャンの車を停めるためのもの。
    アーカムがある日、当然のように用意してくれたものだ。すぐ目の前にコインパーキングがあるというのに。
    優のバイクは、今日は学校に置きっぱなしだが、普段は一階の駐車場に置いてある。
    「出かけないのか?」
    「出かけるけど…」
    「襲うぞ」
    「今はダメ」
    「あとでならいいのかよ」
    「いいに決まってる」
    優が顔を赤くすると、ジャンも釣られて赤くなる。
    「あ〜〜〜〜アガリマス」
    ジャンは髪をクシャクシャと掻き上げた。

    優の自室は少し広めのワンルームだ。物もたいして置いてない。
    もともと仕事柄帰って寝るための場所でしかなかったので、優には充分過ぎる広さがある。
    それでもキッチンもバスルームも少し広めなのが嬉しい。
    ましてやジャンと親密な仲になったのもあって余計にだ。少しずつ増えていくジャンの荷物に、優は嬉しさを隠せない。
    ただベッドだけはもともと優一人用なのもありセミダブルサイズのままだが、それもくっついて眠れば問題はない。
    他のファミリーサイズの部屋に移るかと、山本に言われた事があるが、それは色々な意味で遠慮した。
    一応ジャンの部屋も日本支部内に用意されているのもある。

    まだコーヒーが残っているので、お茶はいらないと言われた。
    確かに優もまだソイラテを飲み終わってない。
    とりあえずさっさと着替えようと、クローゼットを開ける。
    これからデートだ。デートだよな。
    優はクローゼットの前で固まった。
    「何してんだ?」
    部屋の中央部に置かれた大きなソファで踏ん反り返ったジャンが見つめる。踏ん反り返っていてもイケメンはイケメンのままだ。しかも足が長い。
    「何着ようかなって」
    「何でもいいだろ。AMスーツ以外なら」
    「ここにはねぇよ」
    「セクシーなやつ」
    「ねぇよ」
    「ねぇの?」
    「ない」
    「可愛いやつ」
    「……それなら、まあ…」
    「あんのか」
    「それなりになら」
    優はクローゼットから、Tシャツ、パーカー、チノパンを取り出した。
    パーカーは大きめで少し可愛い柄のものを選ぶ。
    着替え始めるとジャンからの目線に気がついた。
    「あんま見んなよ」
    「見るよ」
    「減る」
    「減るかよ、バカ御神苗」
    「穴開きそう」
    「もう開いてんだろ」
    「エロオヤジ!」
    ジャンが歯を見せ笑うが、絡みつくような視線は変わらない。夜を思い出させる。
    「もう勘弁して…」
    「ゴチソウサマ」
    ジャンがコーヒーを飲み干し、ニヤリと笑った。

    着替え終わったのを見計らって、ジャンが手招きする。
    素直に近づくと、そのまま腰を引き寄せられ横抱きにジャンの足の間に座らされた。
    何度か軽くキスをして、少し蕩けさせられる。
    「出かけないの?」
    「出かけるよ」
    なんだか急に恥ずかしくなった優は、ジャンの胸に顔を埋める。
    そうだ、夜にはこの男に抱かれるのだと、体の奥がいう。
    そのまま熱を帯びそうになる体を抑えようとしたが、優しく髪を撫でられ、余計に体の力が抜けた。
    「可愛いじゃねぇか」
    「え…」
    「服」
    「好み?」
    「まあな」
    「良かった」
    恥ずかしそうに微笑む。
    「さて…行くか…」
    ジャンは優しく口づけた。

    車に向かい、いざデートへ。
    「何か欲しいもんあるか?」
    「新しい服欲しい」
    「俺も…何処行きゃいい?」
    「俺なら…原宿、渋谷…だけど…」
    「俺には合わない?」
    「いや…まだ20代だし…おかしくないよ。もっと大人の店もあるし」
    「お前はちょいちょい俺をオッサン扱いするな」
    「そういうつもりは…」
    苦笑いする。オッサンではないが、それなりに年が離れているのは事実だ。
    「まあ、いいさ…」
    ジャンはゆっくり車を出した。

    適当なファッションビルに入り、適当に店を覗く。
    ジャンと歩くと、例えそこが何処ででも目立つ。
    普段はガサツで口が悪いのに、こういう時には優雅に動く。
    意外に紳士なのだ。見た目だけは。
    店に入れば店員が見惚れるのも仕方がない。
    こちらお似合いですよ、なんて女性店員は頬を染めてわざわざ近づいてくる。
    だがそんな時のジャンは、わざと英語で返す。そうすれば大抵の店員はそのまま去っていくしかないのだ。
    ジャンは興味のない相手にはとことん冷たい。
    たまに英語で話しかけ返す猛者もいるが、その時はひたすらフランス語で返すだけだ。時にはドイツ語で返すこともある。スプリガンは語学が堪能だ。
    いつの間にか話せるようになっていたのは日本語だ。出会った頃は話せていなかった。今でも読み書きは多少あやふやな時もあるが、日常会話は問題ない。
    それもこれも全ては優のため。
    服よりもボンヤリとジャンを眺めていたら、また店員がジャンに近づく。
    だが今度は店員を無視をすると、優の目の前に立った。
    「あのセーターが気に入った。色違いで入るサイズ全部買う」
    「は?全部?」
    「どうせ破ける」
    「あ…そう…」
    ジャンの代わりに優が日本語で店員に話しかける。
    ジャンはLサイズだが、日本でならXLだ。この店ではそれ以上のサイズはない。XLを全て包んでもらった。
    支払いはゴールドカード。まあ当然だろう。プラチナだって持っていたはずだ。
    占めて約四万弱。
    スプリガンのジャンには安い買い物だ。
    「お前は買わねぇの?」
    「ここのはいいかな。さっきの店戻りたい」
    「D'accord, chère personne(わかったよ、愛しい人)」
    優の顔が真っ赤になった。

    先程一度入ったショップへ戻ると、優はパーカーを広げる。
    「お前、そういうの好きなのか?」
    横から覗き込むように優の手元のパーカーを見つめる。
    「うん…好き、かな」
    「かな?」
    「さっき可愛いって言ってもらえたし」
    優は微笑み、パーカーを自分の胸の前で広げる。
    「似合う?」
    「ああ…いいんじゃね…」
    微笑んだジャンの顔が耳元に近づく。
    「お前の小せぇケツがよく隠れる」
    「なっ…!」
    優の顔が一気に赤くなる。
    「このエロオヤジ…」
    「あはは…」
    ジャンはケラケラ笑って優を見つめた。

    「ああいうのがいい」
    ジャンが指差す先には、クマが刺繍された可愛いパーカーが置いてある店のウインドウが見える。
    さすがに少し可愛すぎやしないかと、優は首を傾げる。
    「ああいうの好み?」
    「oui…」
    「似合うと思う?」
    「oui…」
    「ジャンから見た俺って、そんなの?」
    「oui…」
    「ジャンにとっての俺って何?」
    興味深げに、優がジャンをジッと見つめる。

    mon chéri coco
    最愛の人
    (俺のかわいこちゃん)

    ジャンが甘い声で真顔で囁く。
    滅多に囁かれる事はないジャンからの愛の言葉に、優はまた顔が赤くなった。

    「買ってやるよ」
    「え…いいよ…」
    実はさっきのパーカーも買ってくれた。
    「俺が着てほしいんだ」
    「でも…」
    「ガキが遠慮すんな」
    ジャンは大股で店に入り、店員に近づく。
    目の前に突然現れた長身のイケメン金髪に、店員は一瞬怯むが、そこはプロ。すぐに接客体制に入った。
    ジャンが店員とアレやコレやとしている。珍しく簡単な英語と日本語だ。
    その間、優も店内を見る。
    このシャツ可愛いな、ジャンが好きかなと手に取り、体に当てる。と、袖口から値札が見えた。
    サッと優の顔が青ざめる。
    高い。
    シャツ一枚がさっきのパーカーの倍以上の値段だ。
    「ちょ…ジャン…」
    「んあ?」
    「ヤバイ ココ タカイ」
    優がジャンの袖口を軽く引く。
    店員に聞かれてもいいように、フランス語で話しかける。
    「コンナ タカイノ イラナイ」
    「オメェ、俺を誰だと思ってんだ」
    「……スプリガンのジャン・ジャックモンドです」
    「monsieur(ムシュー/様)をつけな、ガキ。年収教えてやろうか?」
    「だいたい知っているので遠慮します」
    「わかりゃいいんだよ」
    ジャンが作り笑顔で店員に向く。
    「white,cream…pink…rabbit…bear…」
    little bigger size(少し大きめで)と付け加える事も忘れない。
    店員はジャンからゴールドカードを受け取ると、何枚ものパーカーを抱えてレジに向かった。

    実のところジャンは殆ど無駄遣いはしない。高い服はどうせ破れると着ないし、食事も大食漢のためか安くてたくさん食べられるような場所が好きだ。優も育ち盛りで食べる方だが、ジャンは倍食べる。
    たまに山のように本を買っているのは見かけるが、せいぜいそんなもの。
    こんなふうに散財するのは優に対してと優に関わるものだけ。
    優はある日、突然買ったというジャンの車の値段を調べてみた事があったが、それは高校生の優には目が飛び出る程の高価なものだった。最も優も同じようなものが買えるくらいには稼いではいるが。
    だがその車も優と乗るためのものだとわかり、流石に優がたしなめた事もあった。
    「無駄遣いすんなよ」
    「無駄じゃねぇよ、お前と乗るんだ」
    そう真剣に言われてしまえば、優には反論できなかった。
    だがその後、サイドカー付きの大型車バイクを買おうとしたのは全力で止めた。

    商品を受け取ったジャンがMerciと言いながら、にこやかに受け取る。
    満足いくものが買えたのだろう。優の服だが。
    「あとは…ジーパン…」
    「まだ買うの?」
    「この間派手に破いた」
    「ああ…そう…」
    「お前は?」
    「俺はもう充分」
    ジャンの持つ袋には優のパーカーが複数枚。何枚買ったのかは知りたくない。今日一番の買い物だ。一度に買う服の値段ではない。

    安価なジーンズショップを見つけ、店内に入る。
    「サイズは?」
    「33インチ」
    意外に太い。当たり前かとジャンの腰を見る。
    「お前はもっと肉つけろ」
    「気にしてるのに…」
    「小さいケツは好みだ」
    ジャンがケラケラ笑う。

    一応試着をして…店員が裾直しをなんて言って近づいては来たが、ジャンは軽く手を払って追い返す。
    優がジャンの裾を見れば、直す必要もない程に丁度いい。
    本当に足が長いんだ。身長があるだけじゃないのだと驚く。
    見た目は本当に完璧だ。筋肉のせいで少々太めかもしれないが、完璧なスタイル。整った容姿そのもの。
    それに長いブロンド、たまに金色に変わる鮮やかな青い瞳。
    また優はボンヤリと見惚れていた。
    ジャンは同じサイズの別のジーパンを手に取り、最後にスキニーも取る。
    「なんか意外」
    「何が?」
    「スキニー。ジャン、ゆったりしたの好きなんだと…」
    「仕事ん時はな」
    「知らなかった」
    「今知ったろ」
    「うん…」
    ジャンはさっさと支払いを済ませた。

    両手一杯の洋服を車のトランクに積み込んだ。
    「ツーシーターは失敗だったか」
    ジャンがパンパンになったトランクを見つめる。
    「買い直すか…」
    「直すな」
    「こんなシートじゃエロい事も出来ねぇな」
    「しねぇし!」
    「しねぇの?」
    「しませんっ」
    「残念」
    ジャンがまたケラケラ笑う。
    「めったに乗らないんだから、しばらくは買い替えたりするなよ」
    「ああ、どうすっかな」
    「俺、この車好きだよ。色綺麗」
    「そうか…」
    誰も居ない駐車場。
    ジャンが優の腰を引き寄せた。
    そのままゆっくり口づけ、わざとらしく音をたてる。
    「んっ…」
    鼻から抜けるような優の甘い吐息。
    ペチャペチャと響く濡れた音が腰にくる。優の膝はガクガク震え、力弱くしがみつくしかない。
    腰を撫でられ、尻を掴まれ…撫でられる。
    ここでこれ以上はダメだと思っていても、ゆっくりと離れる唇が名残惜しくて、優は濡れた瞳でジャンを見つめた。
    「エロい顔だな」
    「誰の…」
    「俺のせいだな」
    ジャンはクスリと笑うと、軽く口づける。
    「帰るか?」
    ジャンの問いに、優は頬を赤らめ小さく頷いた。



    スパダリってどんなだ!?難しい…
    ジャンが勝手に買ったパーカーはカー○ヘルムみたいなやつ

    以下、解説のようなもの
    二人の会話は基本的に英語
    ジャンがカタカナの時は日本語
    優がカタカナの時はフランス語
    優のフラ語より、ジャンの日本語のほうがうまい
    ただし優はフラ語の読み書き可能
    ジャンは日本語は読み書きできなくはない程度

    ジャンが「優」と呼ぶときの発音は、フラ語もしくは英語
    「ユウ」と呼ぶ時は、日本語発音
    聞いてる方はほとんど変わりはない
    こっちも気分で書いてる

    以下、間違ってるかもしれないフランス語解説
    ジャンは優に対してちょいちょい子供扱いするようなフランス語を言う

    mon chéri coco
    最愛の人の意味だが、本当はモン・シェリだけで充分
    英語のmy babyみたいな意味
    ココをつけることで、小さいものや小さな子を表す
    なので、俺のかわいこちゃんのような意味になる…はず…

    dors bien
    おやすみに使う言葉のひとつ
    「よく寝てね」という意味
    ようは「いい夢見ろよ」だが、ドル・ビアンは近親者や子供に対して使うことが多い
    本来のおやすみは、bonne nuit(ボンヌ・ニュイ)で良いところを、わざとdors bienと言っている
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