六日前。「雪原への誕生日プレゼントぉ?」
めんどくさそうな結城の声が事務所に響いて、メイは小さく肩をすくめた。
十二月二十日。
雪原の誕生日があと六日に迫り、メイは焦っていた。
紆余曲折あって雪原と恋人という関係に落ち着いてから初めて迎える誕生日。
こんなに何も思いつかないものか、と自分を不甲斐なく思ったのは記憶に新しい。というか現在進行形で落ち込んでいる。
「はい。いいものが思いつかなくて……」
一ヶ月前からいろいろ考えてはいたが、どれもピンとこない。
雪原とそこそこ付き合いの長そうな結城なら、と思い切って訊いたのだが。
「そんなんお前、ハトのえさでもあげとけばいいだろ。喜ぶぞー」
「喜ぶのハトでは……?」
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