【#05】背伸びをしても届かない第5話「青臭い価値観」
タイオンの仕事はそれなりに忙しいらしく、終電近くに帰ってくることも多かった。
夕飯は作り置きしてもらえれば自分で温めるから気を遣わなくていいと言われていたが、本当は一緒に食べたい。
遅くまで起きて待ってみるけれど、結局眠くなっていつも寝落ちしていしまう
そんな生活のせいで、ユーニがまともにタイオンの顔を見れるのは学校に行く前の朝くらいだった。
一緒に住んでいるにも関わらず、同じ時間を共有できる機会はあまりにも少ない。
ユーニがタイオンの家に居座り始めて2か月ほどが経過したある日のこと。
その日は珍しくタイオンの仕事が休みで、1日中家で暇を持て余しているようだったから買い物に付き合ってもらうことにした。
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