Δノスクラ出会い編2 酷い強行軍だった。
息子をして『小型のゴジラ』と言わしめるだけのある、無尽蔵のスタミナと子供のように活発極まりない行動力を持つ“D”が直に指揮を取るという事実を、随分と過小評価していたのだとノースディンは己の認識の甘さを呪った。
自責の呪いで車酔いの吐き気が治まるはずもなく、同じく車酔いで顔を青ざめさせた同部隊の先輩隊員から酔い醒ましの薬と水を受け取り、比較的無事な隊員たちがへろへろと、それでも的確に持参したVRC製の各種機材の用意していく様を眺め、密かに己の鍛錬不足に頬を熱くする。
冷たい水が喉を潤すだけでもようやく落ち着きを取り戻し、ノースディンはこの任務の目的地である建物を見上げた。異国から異国へ渡り、道なき道を何時間もかけて進み、ようやく辿り着いた目的地は、古い教会だった。
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