「社長~。これ、作りませんか?」
昼食を済ませて、紅茶を飲んで寛いでいたルーファウスの元に戻って来たレノに紙とペンを唐突に渡され、訝し気な視線をレノに向ける。
泊まりに来ている身なら、もう少し空気を読めと言ったところであまり効き目が無いことを分かっているルーファウスは諦めてレノの戯れに付き合うことにした。
「レノ。この『券』と書かれた紙は何だ?」
「それは、券の前に社長がオレにしてほしいことを書いて、それを叶える特別な券ですよ、と。」
「ほう?それは、何でも叶えてくれるのか?」
「えーっと…出来ればオレが叶えてあげられる範囲の内容でお願いしたいですね…。」
レノは渇いた笑いを浮かべ、無理難題を押し付けられないかと冷や冷やした思いが拭えず、吹き出しそうになる冷や汗を何とか抑えた。
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