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    葉づき

    葉づき@hadukia3です。小説書いてます。
    オクタとデイヴィスクルーウェルとトレイクローバーに狂わされてる。スタンプや反応とても嬉しいです!
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    葉づき

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    #葉づきエアスケブ小説企画
    ニンコパ会場でのリクエストありがとうございます!
    リクエスト:無自覚両片想い フロ監、ジェイ監

    無自覚の部分が少しうすくなっちゃったかもしれません💦この監督生は多分2人とも好きなんでしょうね……片割れへの態度しか見えていない2人……といった形です!!

    #フロ監
    manager
    #ジェイ監
    jayJr.
    #リチ監
    lycheeAuditor

    いつだって気分じゃない。いつだって楽しい事だけしていたい。そんなの当たり前。嫌なら締めて言う事聞かせるか、興味すら持たないか、普通ならそれだけなのに。

    だけど、小エビちゃんだけはちょっと違う。
    小エビちゃんは小さくて弱っちくてバカみたいで、なのに時々、すげぇ可愛い。面白い動物を観察するみたいに可愛がってやってるのに。オレがぎゅ〜ってすると顔を背けて「やめて」って言う。こんなに爪を立てないように、締めすぎて骨が折れたり内蔵が出たりしちゃわないようにしてあげてるのに。こんなに優しく絞めてあげる奴なんて小エビちゃん以外に居ないのに。意味わかんねぇ。オレは小エビちゃんと居るとさ、すげぇ楽しいのに、小エビちゃんは違うの?

    楽しいし面白いから一緒に居る。それはジェイドとアズールもおんなじ。一緒だと飽きねぇから3人一緒に居るだけ。つまんなかったり面白くなくなったら、はいそこで終わり。

    なのに。

    「あはっ、小エビちゃんだぁ。なぁに見てん……」

    渡り廊下で遠くを見てる小エビちゃんを見付けて駆け寄って、ガバリと後ろから抱きついて、視線を同じ高さにしたらさ、その視線の先に居たのはよく見知った顔だった。オレと同じターコイズブルーの髪の毛とチョウザメのピアスがチャリと歩幅にそって揺れる。そっくり兄弟なんてアザラシちゃんが呼ぶオレの片割れ。

    「わっ、ふ、フロイド先輩!?」
    「……あはっ。びっくりした?」
    「も、もう抱きつくの禁止って言ってるのに」
    「知らねぇ〜。オレが絞めたい時に小エビちゃんが目の前に現れるからいけないんでしょ」
    「そんな無茶苦茶な……」

    知ってるよ。小エビちゃんはさ、オレに抱きつかれるのは嫌なんでしょ。じゃあさ、ジェイドだったら?ジェイドだったら……そうやって遠くから眺めてるだけでほっぺた赤くしちゃってさ。照れてるのを隠そうしてるけど、オレ知ってるよ。小エビちゃんはやっぱりジェイドの事が好きなのかな。…………つまんない。オレがこんなに構ってやってるのに、オレを見ない小エビちゃんなんて、マジで面白くない。

    嫌だったらやめればいい。爪を立てて血が出るまで、窒息して泡を吹くまで、絞めあげて力で制すればいい。面白くないなら、はいそこで終わり。

    なのに。嫌でもやめたくない。あの柔らかい皮膚に一筋でも傷がついたら嫌だ。トクトクと鳴る心臓の音をずっと聞いていたい。力で制したってなんの意味もない。心底面白くないのに、また小エビちゃんの姿を探しちゃう。

    ねぇ、なんでだろうね。小エビちゃん。オレに教えてよ。その照れた顔でオレにだけ笑ってよ。

    ねぇ、いいな。うらやましいよ、ほんとにさ。


     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

    予定調和は嫌いです。面白くて興味深いことだけが僕にとって意味のあるもの。欲しいと思った物を手に入れるのは当然の事。その為に手段なんて選んでいられません。綺麗事だけでは生きていけませんから。

    この学園には愉快な人達が沢山いる。陸の生活様式やら自然もとても興味深い。何でもないとされる物でも僕にとってはキラキラと輝いて仕方ないものばかり。

    監督生さん。あの人は特に面白い。取るに足らない人間かと思っていた僕の予測は見事に砕かれた。予定調和ではないあの人は、観察するのに事欠かない。気が付けばいつもキーになるポジションにいるあなた。

    いつからでしょうね。あなたのその表情が気に入らない。大きな191cmの体躯に包まれた小さなあなたは、いつも頬を真っ赤に染めて。あぁ、僕と同じターコイズブルーの髪とチョウザメのピアスがゆらりと揺れる。僕の片割れ、フロイドにその照れた顔を見られたくないあなたは、フロイドに顔を背けて震えた声で「やめて」と言う。

    僕はあなたの体温なんて知りません。きっと暖かいのでしょうね。あなたがフロイドに「やめて」と言うのは嫌だからじゃない。必死に隠そうしているあなたの、フロイドに対する好意に気付いてしまった僕は、尚更あなたを抱き絞める事は出来ない。

    「ジェイド先輩」
    にこやかに微笑むあなた。いつまでも聞いていたいその声。あぁこんなにも欲しいのに、手を出せない。

    力づくでどうにかしたとして、それであなたが僕を見上げる瞳に、冷たい色を宿してしまったら……。想像するだけでゾッとする。だから手段を選んでしまう。僕は多分、あなたに嫌われたくないのでしょうね。あなたの前でだけは綺麗な事柄だけ並べていたい。

    「……おやおや、今日も仲が宜しいですね」
    階下で監督生さんとフロイドがまた顔を真横に並べ合って談笑しあっている。いけませんよ、フロイド。そんなに顔を近付けて。あぁ、ほら監督生さんの頬がまた染まってしまった。あれでもあなたに悟られない様にしているみたいですよ? ……その代わりに僕はいつでもそれを見せ付けられて。

    あぁ、こんな考え方いけませんね。監督生さんもフロイドも決して悪くないのに。面白がって観察しているだけの筈だったのに。面白くもないのに、またあなたを探してしまう。予定調和は嫌いなのに。この矛盾ばかりは切なく胸が軋むのです。

    ねぇ監督生さん。感情って面白いですね。すごく興味深いです。この気持ちの名前はなんて言うのでしょうか。教えてくれませんか、僕に。知りたいのに知りたくない。ねぇ僕があなたに手を伸ばしても、そうやって頬を染めてくれますか?

    あぁ、羨ましいですね。困りました、ほんとうに。


    リクエストありがとうございました!!
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    葉づき

    DONE #葉づきエアスケブ小説企画
    ニンコパ会場でのリクエストありがとうございます!

    リクエスト:「嫉妬」 アズ監 ジェイ監
    アズールジェイドとの事だったのでこの2人とサンドにしました!
    「僕、監督生さんに告白しようと思うんです」

    ジェイドに告げられたその一言に僕は思わず低い声で「は?」とだけ返した。ドクドクと鼓動が煩い。心拍数が上がって、喉が乾いていく。目の前のジェイドはニコニコと笑みを深くして未だに薄ら寒い笑みを顔に貼り付けている。

    「……何故僕にそんな事を言うんですか」
    「いえ、一応あなたにも知っておいて頂こうかと」
    「どういう意味です? 勝手にしたら良いでしょう?」
    「えぇ言われなくとも勝手にはします。アズールはどうするんですか? まぁ僕としてはこのまま黙って諦めて頂けると一番嬉しいのですが」
    「……おまえ……」
    「ふふ、そんなに怖い顔をしないで。僕達、同じ陸のメスに恋した仲じゃないですか」
    「……知ってて僕を煽っているのなら、本当に良い性格をしていますね、おまえは」
    「ふふ、ありがとうございます」
    「褒めてない。……良いでしょう。お前がそのつもりなら僕だってあの人を手に入れてみせる。ジェイド、おまえにだって譲ってなんてやりませんよ」
    「そうこなくては。僕も絶対に負けるつもりはありません」

    ニヤリと笑うジェイドの眼光がギラリと鈍く光る。敵意に溢れたその顔は 1382

    葉づき

    DONE #葉づきエアスケブ小説企画
    ニンコパ会場でのリクエストありがとうございます!
    リクエスト:「あなたと居ると飽きませんね」 ジェイ監
    「記念に1枚写真を?……っふふ。ケイトさんの影響ですか? 良いですよ。撮りましょう」

    僕と写真が撮りたいなんて。そんな事をあっけらかんと言うあなたが面白く映った。僕達の事を怖がったり、そうやって馴れ合ってきたり。あっちへ行ったりこっちへ行ったり。いつもあなたの周りには人がいて、いつも愉快な目に合っている。面白い人だ、そう思った。自分の損得関係無しに、人の為に動けてしまう人。それ故に、あなたが時々口にする辛辣な言葉やハッキリとした物言いが僕は好きなんです。あなたに裏がない事を知っていれば知っている程にそれが愉快で。次から次へと面倒事に自ら首を突っ込んでいく監督生さんは面白い。

    未知の異世界人への興味関心は、あなたの人となりを知る度に、一緒に他愛もない時間を過ごす度に、監督生さん本人への好意にその姿を変えていく。からかって膨れる顔も、スキンシップを少ししただけで真っ赤になる頬や耳も。楽しそうにケラケラ笑う顔も、怒った顔もずっと見ていたい。あぁ最近はニヤリと悪い顔も覚えてきてしまいましたね。僕達に似てきてしまったのでしょうか。……でもそれは悪くないですね。

    スマホのロックを外して、つぅ 782

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    葉づき

    DONE #葉づきエアスケブ小説企画
    ニンコパ会場でのリクエストありがとうございます!
    リクエスト:「あなたと居ると飽きませんね」 ジェイ監
    「記念に1枚写真を?……っふふ。ケイトさんの影響ですか? 良いですよ。撮りましょう」

    僕と写真が撮りたいなんて。そんな事をあっけらかんと言うあなたが面白く映った。僕達の事を怖がったり、そうやって馴れ合ってきたり。あっちへ行ったりこっちへ行ったり。いつもあなたの周りには人がいて、いつも愉快な目に合っている。面白い人だ、そう思った。自分の損得関係無しに、人の為に動けてしまう人。それ故に、あなたが時々口にする辛辣な言葉やハッキリとした物言いが僕は好きなんです。あなたに裏がない事を知っていれば知っている程にそれが愉快で。次から次へと面倒事に自ら首を突っ込んでいく監督生さんは面白い。

    未知の異世界人への興味関心は、あなたの人となりを知る度に、一緒に他愛もない時間を過ごす度に、監督生さん本人への好意にその姿を変えていく。からかって膨れる顔も、スキンシップを少ししただけで真っ赤になる頬や耳も。楽しそうにケラケラ笑う顔も、怒った顔もずっと見ていたい。あぁ最近はニヤリと悪い顔も覚えてきてしまいましたね。僕達に似てきてしまったのでしょうか。……でもそれは悪くないですね。

    スマホのロックを外して、つぅ 782

    葉づき

    DONE #葉づきエアスケブ小説企画
    ニンコパ会場でのリクエストありがとうございます!
    リクエスト:無自覚両片想い フロ監、ジェイ監

    無自覚の部分が少しうすくなっちゃったかもしれません💦この監督生は多分2人とも好きなんでしょうね……片割れへの態度しか見えていない2人……といった形です!!
    いつだって気分じゃない。いつだって楽しい事だけしていたい。そんなの当たり前。嫌なら締めて言う事聞かせるか、興味すら持たないか、普通ならそれだけなのに。

    だけど、小エビちゃんだけはちょっと違う。
    小エビちゃんは小さくて弱っちくてバカみたいで、なのに時々、すげぇ可愛い。面白い動物を観察するみたいに可愛がってやってるのに。オレがぎゅ〜ってすると顔を背けて「やめて」って言う。こんなに爪を立てないように、締めすぎて骨が折れたり内蔵が出たりしちゃわないようにしてあげてるのに。こんなに優しく絞めてあげる奴なんて小エビちゃん以外に居ないのに。意味わかんねぇ。オレは小エビちゃんと居るとさ、すげぇ楽しいのに、小エビちゃんは違うの?

    楽しいし面白いから一緒に居る。それはジェイドとアズールもおんなじ。一緒だと飽きねぇから3人一緒に居るだけ。つまんなかったり面白くなくなったら、はいそこで終わり。

    なのに。

    「あはっ、小エビちゃんだぁ。なぁに見てん……」

    渡り廊下で遠くを見てる小エビちゃんを見付けて駆け寄って、ガバリと後ろから抱きついて、視線を同じ高さにしたらさ、その視線の先に居たのはよく見知った顔だっ 2274

    葉づき

    DONE #葉づきエアスケブ小説企画
    ニンコパ会場でのリクエストありがとうございます!

    リクエスト:「嫉妬」 アズ監 ジェイ監
    アズールジェイドとの事だったのでこの2人とサンドにしました!
    「僕、監督生さんに告白しようと思うんです」

    ジェイドに告げられたその一言に僕は思わず低い声で「は?」とだけ返した。ドクドクと鼓動が煩い。心拍数が上がって、喉が乾いていく。目の前のジェイドはニコニコと笑みを深くして未だに薄ら寒い笑みを顔に貼り付けている。

    「……何故僕にそんな事を言うんですか」
    「いえ、一応あなたにも知っておいて頂こうかと」
    「どういう意味です? 勝手にしたら良いでしょう?」
    「えぇ言われなくとも勝手にはします。アズールはどうするんですか? まぁ僕としてはこのまま黙って諦めて頂けると一番嬉しいのですが」
    「……おまえ……」
    「ふふ、そんなに怖い顔をしないで。僕達、同じ陸のメスに恋した仲じゃないですか」
    「……知ってて僕を煽っているのなら、本当に良い性格をしていますね、おまえは」
    「ふふ、ありがとうございます」
    「褒めてない。……良いでしょう。お前がそのつもりなら僕だってあの人を手に入れてみせる。ジェイド、おまえにだって譲ってなんてやりませんよ」
    「そうこなくては。僕も絶対に負けるつもりはありません」

    ニヤリと笑うジェイドの眼光がギラリと鈍く光る。敵意に溢れたその顔は 1382

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    ニンコパ会場でのリクエストありがとうございます!
    リクエスト:無自覚両片想い フロ監、ジェイ監

    無自覚の部分が少しうすくなっちゃったかもしれません💦この監督生は多分2人とも好きなんでしょうね……片割れへの態度しか見えていない2人……といった形です!!
    いつだって気分じゃない。いつだって楽しい事だけしていたい。そんなの当たり前。嫌なら締めて言う事聞かせるか、興味すら持たないか、普通ならそれだけなのに。

    だけど、小エビちゃんだけはちょっと違う。
    小エビちゃんは小さくて弱っちくてバカみたいで、なのに時々、すげぇ可愛い。面白い動物を観察するみたいに可愛がってやってるのに。オレがぎゅ〜ってすると顔を背けて「やめて」って言う。こんなに爪を立てないように、締めすぎて骨が折れたり内蔵が出たりしちゃわないようにしてあげてるのに。こんなに優しく絞めてあげる奴なんて小エビちゃん以外に居ないのに。意味わかんねぇ。オレは小エビちゃんと居るとさ、すげぇ楽しいのに、小エビちゃんは違うの?

    楽しいし面白いから一緒に居る。それはジェイドとアズールもおんなじ。一緒だと飽きねぇから3人一緒に居るだけ。つまんなかったり面白くなくなったら、はいそこで終わり。

    なのに。

    「あはっ、小エビちゃんだぁ。なぁに見てん……」

    渡り廊下で遠くを見てる小エビちゃんを見付けて駆け寄って、ガバリと後ろから抱きついて、視線を同じ高さにしたらさ、その視線の先に居たのはよく見知った顔だっ 2274