セレスが無節操腐女子(2)〜前回までのあらすじ〜
セレスの隠し持っていた同人誌によりゼロロイ沼にドボンしたゼロスは、性癖一致サークル「まてりある⭐︎ぶれーど」さんの新刊を買うために初めての同人イベントに向かうのだった!(立木ボイス)
「お兄様、一般入場はこちらですわ」
「おお……同人イベントって初めてだけど、すげー熱気なんだな」
「シンフォニアオンリーは東館なんですって。まてぶれさんは壁サーですから、新刊狙いなら急ぎますわよ!」
「すげえ、セレスがめちゃくちゃ頼もしい」
-東館-
「これみんな、まてぶれさんに並んでるのか?」
「そのようですわね……あっ、持ちまーす(待機列最後尾札)」
「(すげー慣れてるな……)まてぶれさんってどんな人なんだ?」
「実は私も、委託販売でしか購入したことがないので、ご本人とお会いするのは今日が初めてなんですの……あっ、ついに次ですわよ、お兄様!」
「ワ、ワァ……!(ちいかわ)……って、え、……ユアン……!?」
「神子!?……ついに、ばれてしまったか……」
「いやいやいやいや、ええええ、お前、腐男子だったのかよ!?つーかどう考えてもお前が書くべきは古代英雄本だろーが!!!」
「馬鹿かお前は。私は繊細なのでモチーフが近過ぎると書けないのだ。マーテルはもちろんだが、クラトスとミトスや自分が絡んだものは地雷、故にゼロロイが丁度いい」
「故に!?丁度いいって何だよ!?」
「お兄様、お知り合いですの?」
「知り合いっつーか、なんつーか……」
「フフフ。まてぶれさん、お兄様はまてぶれさんのいちゃラブえっち本、擦り切れるほど読んでいる大ファンなんですのよ!」
「言うなセレス!!あのえっちで可愛いロイドくんをこいつが書いてたと思うと、めちゃくちゃ複雑な気持ちで兄ちゃん今何も言えねーんだわ!」
「フン、私の同人活動の目的は最高にシコリティの高いロイドを描くことだからな。そのための技術の研鑽は怠らない」
「お前がシコリティとか言うな……つーかどんな目でロイドのこと見てんだよエロ親父!」
「……年上(モブ)に冷たい目線でエロ親父と言い放つ神子……アリだな」
「ヒッやめてネタにしないで……やけに俺の裏切り描写が緻密だと思ったら……」
「貴様の二重スパイ行動は心のネタ帳に永久保存してある」
「お前真顔でそんなこと考えてたのかよ」
「とりあえず新刊2冊くださいな」
「2,000円だ」
「お兄様!新刊はお兄様の大好きな二人旅時空本ですわよ!しかも……驚異の150ページ!!」
「クソ、こんなん神本じゃねえか……!」
「私の全ての性癖が詰め込んである」
「やめろ!お前とは性癖とロイドくんの解釈が完全一致なんだよ……!伊達に4000年も生きてねえなさすがだよ……!」
「ん?褒められてるのか?」
「クッ……悔しいが、やっぱりお前の書く同人誌は……最高だぜ、まてぶれさんよ」
「……神子……お前こそ、ロイドにとって最高のぼu……パートナーだ。これからも供給をよろしく頼む」
「今棒って言おうとしたよな?」
「お兄様、私クラロイも見に行きたいんですが……」
「やめて一人で行って本当に地雷だから(早口)」
「血の濃さは罪の重さ、ですわよ」
「近親ものの名言じゃねえか……つーかユアンがゼロロイ書いてるの、天使サマは知ってんの?」
「知っているが、あいつとは相容れない……あいつは、ロイゼロ最大手小説サークルだからな、逆カプだ」
「……は!?!?!?」
【終】