傍に ふいに目が覚める。窓から見える外は、まだ暗く少し冷える。時刻は、丑三つ時ぐらいだろう。変な時間に目が覚めてしまった。寝台で眠りについていたKKは上半身を起こすと、側においてあった蝋燭に火をつけた。眠気が戻ってくるまで、報告書を読もうと手に取る。小さい灯りを頼りに文字をなぞっていく。
「…………」
書物には、隣国の難民について記してある。数年ほど前に王が倒れ、新しい麒麟が産まれたばかりのはずだが、未だに王が見つからないと聞く。そのまた前の王から新しく王が即位するまで時間がかかり、随分と荒廃していたことを思い出した。あれほどまでに枯れた土地は、新しい王が即位したとしても、再生には時間がかかるだろう。
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