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    鯖くゃん

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    鯖くゃん

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    性愛のrnと兄弟愛のseの話
    仄暗い

    #rnse

    我欲 我ながら欲深い方だなぁ、と思う。だっていけない事だと頭では分かっていながらも“兄弟”のその先を求めたのだから。
    「……なぁ兄ちゃん」
    「触んな、昨日もしただろ」
    今日の夕飯当番だった凛が片付けまで済ませ、ソファでスポーツ雑誌を読む兄の隣に座って声をかければこの反応。伸ばした腕はパシンと弾かれ、行く宛てもなく宙を彷徨う。
    「………おい」
    「くっついてるだけならいいだろ」
    そんな兄の態度もお構い無しに手を腰に回し、距離を詰めた。咎める声が飛んでくるが、早々に諦めた兄は一つため息をつくと再び視線を手元に移す。ページを捲る指先をじっと見つめる凛に何を勘違いしたのか、兄はそんなに読みたきゃ一人で読め、と雑誌を軽く丸めて筒状にすると凛の頭を叩いた。全く痛みはないが、一応痛いと言っておく。
    「読んでねぇ」
    「じゃあ近寄んな」
    「嫌だ」
    「…………はぁ」
    応酬の末に吐き出されたため息は怒っているように聞こえた。しかしそれが怒りではなく、照れ隠しや呆れと言った様々な気持ちが混ざり合った結果、怒っているように聞こえるだけだと凛は知っている。だから今、兄は怒っていない。物心ついた時から一緒に居るのだ。本当に怒っている時はため息すらつかない事も知っている。この人の不器用な感情表現に四苦八苦した時もあった。でも今はそれも含めて彼なのだと思う。
    「………明日は午後から雑誌の撮影がある」
    他の人であれば、だから何だ、と言いたくなるような言葉と共に兄は手元の雑誌を閉じた。
    「ん、ありがとう兄ちゃん」
    頬にキスを落とせば、これまた無愛想な反応が一つ。凛が軽く肩を押せばその身体はいとも容易く倒される。
    「んっ………は、ぁッ……」
    面倒で可愛い人だと思った。だから凛はキスをしたくなり、そのまま唇を奪う。ガチンと音を立てて歯と歯がぶつかり合っても気にせずに唇を押し付ける。薄い下唇を甘噛みして、空いた唇の隙間から舌を割り入れた。逃げ惑う舌を絡め取って口内を舐り、兄の手からそっと雑誌を奪い床へと落とす。凛の背中に回された兄の指先が微かに震えていることに気付いたが、見て見ぬふりをした。
    ────知っている。
    多分兄は自分と同じ形の愛を持っていない。そんな愛に不器用な男を言いくるめ、手中に収めたのは他でもない凛自身だ。愛の本質を解さないこの人を縛りつけるためなら凛は何だってする。
    「兄ちゃん、好きだよ。こんなにアンタを好きなのは俺だけだよ」
    そんな事は無い。きっとこの世界のどこかに等身大の兄を愛してくれる人間は必ず存在する。でもそう言ってやらないとこの人はまた自分の前から去ってしまう。
    糸師冴を縛りつける呪いこくはくを直接その口へ流し込むように唇を重ねた。
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