それは「 」の証。「司くーん!!いい加減諦めたらどうだーい?」
「だれがっ諦めるかあああああ!!!」
校内に響く2人分の声。
走る視界には時たまなんだなんだと見る人がいたが、
声の発生源がわかると笑ったり呆れたりしながら、また戻っていく。
オレはそれどころじゃないんだぞ!?と内心思いながら、走る足に力を込めた。
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「おはよう!」
「おー、おはよ」
「おはよう、天馬くん」
「今日も元気だなあ天馬は」
ある日の朝。
何時も通り皆に挨拶しながら、教室に入る。
その背後から近寄る影に、オレは全く気がつかなかった。
「……それっ」
「う、わ!?」
突然腋をバッと触られ、そのままくすぐられる。
びっくりしながらも振り返ると、そこには不服そうなクラスメイトがいた。
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