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    Hatimi728

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    Hatimi728

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    ロイエド

    クリスマスの翌日26日。一年の節目となる日の翌日。
    ロイとロイの小さな恋人は布団にくるまっていた。
    なんせ一昨日から2人とも大活躍だったのだ。軍部主導での子供達への慈善活動。特に普段から赤いコートを纏っているエドワードは、プレゼントを配る係としても、特別な日のアイコンとしても大人気だった。普段は気象の穏やかな弟が制御しているイメージが強いが、彼は根から「兄」なのだ。小さな子供と同じ目線で遊んでいるようで、見守っているという、つまり子供の扱いに慣れていた。
    ロイは年度末の決済が残っていることにヒヤヒヤしながらも、なんとかこの日を迎えることができて誇らしい気持ちだった。私の錬金術師は素晴らしいんだぞ、と言って回りたいような気持ちになった。

    25日も午後になると喧騒は途絶えたものの、後片付けに追われて、なんだかんだと帰宅は遅くなった。
    最後まで祭りの後片付けを手伝うことにした理解のあるアルフォンスに「兄さんをよろしくお願いします」と言われつつ、自宅までエドワードを連れ帰った。エドワードは真っ赤になりながらも何も言わなかった。
    帰宅して、デリの夕食を食べて、そして恋人としての時間を過ごした。今は幸せでいっぱいの朝だ。
    金色の長いまつ毛に閉ざされている金色の瞳はいつ見れるのか、滑らかなシルクに覆われた胸が上下するのを幸せな気持ちで見つめた。
    このまま恋人が起きるまでその安らかな寝顔を見つめていたかったが、一昨日からの労を労おうとロイはそっとベッドを抜け出した。

    ぎい、と音がした。寝ている彼を起こさないようになるべく静かに扉を開いたつもりだったが、難しい。今度油をさしておこうかと思う。
    眠たげに瞼を擦って彼が身を起こした。
    「ん………朝?」
    「おはよう。私の王子様。朝食は食べれそうか?」
    ふわ、と大きなあくびを一つ漏らしてエドワードは食べる、と答えた。
    「ん、でもちょっと腰だるいかも。いい匂いがする……チョコレート?」
    「ああ、君にはよく働いて貰ったからね。疲労回復だ」
    そっとホットチョコレートを手渡す。万が一にも彼が手を滑らせて火傷しないように。
    「あまーい」
    幸せそうに、彼が微笑む。こちらまで幸せになる笑顔だった。
    「チョコレートには媚薬の効果もあるから。どうだい?」
    それまでの甘くとろけるような微笑みが崩れて耳を染めた彼が、「バカ!」と怒鳴った。
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