扇情ーー追伸 毎日青野原に行き帰りする部隊を見ていると、あそこにいるべきは俺だと痛感してしまった。いい加減年貢の納め時と観念して、修行に行く心の準備でもする頃合いなのかな。
一週間のどーでもいいこと面白いこと、面白くなかったことを綴った文末、そんなおまけを添えて「笹舟」のメールを流した。日付が変わった午前一時、就寝前だった。
翌朝、夜間に冷えきった空気にまぶたをあけるのも億劫な中、どうにか目覚ましのアラームを止めると、待ち受け画面には受信メール一件のバッジ。
ぼんやりした頭で、文字どおり昨日の今日だ、まさかなと思いつつボックスを開けば、そのまさかの彼女からの返信だった。
いつもどおり三行でしたためられた返信文のあとにもう一言。俺が送ったのと同じようにおまけが添えてあった。
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