メイドの日(コラロ)書類仕事からやっと解放されたのはどっぷり日が暮れた頃だった。細かく並んだ文字との睨めっこで目が霞む。おれもいい年だし老眼になっちまってんのかな……
疲れた体に鞭打って家にたどり着く。玄関に置かれた女性物のミュールを横目に、廊下の先にある居間を目指す。コート掛けに上着と鞄を任せ、ドアのハンドルを掴み扉を押し開けると__
「おかえりなさいませ」
そこにはメイド服に身を包んだローがスカートの裾を控えめに持ち上げながら可愛らしくお辞儀をしていた。ロング丈のエプロンドレスは装飾が少なく上品なデザインだ。きっちりと着込んでいても抜群のプロポーションが分かるのだから驚きだ。
____ここがラフテルか。
心身にたまった疲労が浄化されていくのを感じる。思わず扉を開けたまま立ち尽くしてしまった。
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