そういえばの後で 次の日、空は澄み渡りとてもいい天気になった。あまりの気持ち良さにナナミはうーんと伸びをし笑顔で隣のシェズに声をかける。
「遠征日和……っていうのも変だけどどうせ移動するなら晴れた方がいいよね!」
「そうだね。天気悪いと足場も悪くなるし、山を越えるのだから晴れるに越したことはないよ」
「ちがーう!!そういうことを言ってるんじゃないの!!」
全くズレたことを言うシェズにぷくりとほおを膨らませる。
「こんなにいい天気なんだからきっといいことあるよ!!」
戦も最終局面を迎え、楽しいことばかりではないことは本人もよくわかっている。それでもあまりの天気の良さに思わずそう信じたくなった。すごく清々しい祝いの日だ。きっとこの先いいことがある。いつものジョウイに会えるんじゃないか。なぜかそう思えて自然と笑みが溢れた。
そんなナナミを見てシェズもにこりと微笑む。本当にいいことがあるかもしれない。もしかすると手を取り合えるかもしれない。そんなあり得ないことを思い浮かべてしまう、それぐらい晴れやかな空とナナミの笑顔だった。
微かな希望を抱くぐらいは許されるだろう。そう思った。
「じゃあ行こうか!」
元気なナナミの声に頷いて答える。
「行こう、ロックアックスへ!」