あと一歩分だけふわふわとした、どこか浮ついた気持ちが抜けない。自分が生まれてきたことを誰かに祝ってもらえる。それがこんなにも嬉しいことだと初めて知った。
「……ふふ」
「なんだよ。思い出し笑いか」
「すみません。……だって皆さんが僕のために誕生日パーティーを開いてくれるなんて、嬉しくて」
5月13日。任務と訓練を終えたコビーがヘルメッポに促されるまま会議室に向かえば、そこにいたのはガープやボガードはじめ隊の海兵達。
いつの間に準備したのか、いつもは難しい話をするための会議室は飾り付けられ、テーブルの上には食堂から運んできたのだろう料理と大きなケーキ。
何が起きているのかわからずぽかんと口を開けて呆けたコビーに「コビー准尉!誕生日おめでとうございます!!」と部下の一人が声をかける。
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