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    ☆ユズ☆

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    いつか書き上げたい真エンド後のセレフレ
    途中すぎる

    #トラスト
    trust
    #セレフレ

    想いは永遠にこの胸に 告白をした夜は満天の星空だった。
     それはまだノゼリアが戦乱の中であったいつかの日の空と似ていた。
     違っていたのはセレノアとフレデリカ、二人の関係だ。
     初めて星々を眺めた夜はまだ婚約中であり、真実を告げた夜にはもう夫婦だった。
     ウォルホートの城のバルコニーに大切な話があると誘ったのはセレノアの方。だが、フレデリカもまた夫が自分に何か伝えたい事があるのだろうと、数日前から気がついていた。
     不安と共に雪降る地より船でやってきて初めてグリンブルクの地を踏み、兄によって決められた婚約者に会い、その誠実さと強さと優しさに惹かれた。より深く知りたいと思い観察した彼が実は弱さも持ち合わせていると知り、それによってフレデリカが抱いた愛しさは更にかさを増し、いつしか僅かの表情の変化や仕草の意味にも気がつけるようになったのだ。
     今だってそうだ。ローゼルのものともエスフロストのものとも違う濃い色の髪がかかる額の下、同じく深い色の瞳は本心だけを語っていると告げている。
     だから、どうかしましたか、とフレデリカは尋ねる事をしなかった。ただ頷き、セレノアの隣に立ち、ゆっくりと語られた彼の出自について耳を傾ける。
     そこで語られた彼の秘められていた真実──実は王族である事はフレデリカに当然ながら驚きを与えた。しかし、その驚愕で彼女が混乱に陥る事はなかった。
     母の死後も長く父シモンとベネディクト、そしてレグナ王との間で隠され、セレノア自身が腕に抱いた父からの言葉で知り、その後も胸の内に潜めておく事もできただろうに彼はロランに真実を明かしたという。
     そして、今日セレノアが妻に告白をするにあたっても、秘密を知るロラン王にもベネディクトにも許可を得たとも言うのだ。
     驚きのみではなく改めて夫の誠実さに触れた、その事がフレデリカに落ち着きを与えていた。
     ああ、私はこの人のこういうところが愛しく惹かれているのだと。彼女が再認識するには十分すぎる程で、そういうセレノアでいてくれるのならば二十余年もの間秘匿され続けてきた真実も『彼の歴史』の一部分でしかないと思えた。
     ロランとの友情も変わらず続き、シモン・ウォルホートの息子、そしてウォルホート家を継いだ者として王と王家に忠誠を誓い続けると話すセレノアの瞳は、真っ直ぐで欠片も揺るぎない。フレデリカが碧色の瞳を伏せることなく薄紅色の髪を揺らし俯く事もなくそこに微かな偽りもないのだと信じられるのは、彼と出会ってからの喜怒哀楽、苦悩や再起を共にしてきたからであった。


    (王家の指輪の話になるはず。いつか書き上げたい)
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