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    おじさん

    @eight1402

    推しが酷い目にあっているのがすきです ワンクッション挟みたいやつをポイポイします

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    おじさん

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    暁K 一週目を終えた暁人が何の因果かまたあの時へと戻ってきたのでKKを“命懸けで”救う話 この辺りの本編内容があやふやなまま書いたので若干違いあるかもしれません 雰囲気で読んでください

    #暁K

    ED2 どの世界でも改修工事の途中で放棄された地下施設。ボロボロのコンクリートの中にまるで似つかわしくない鳥居を前にして、暁人は立ち止まる。

    『どうした?浄化しねえのか』

    右腕がぐい、と持ち上がる。ぼやぼやと湧き上がる黒煙を見つめながら、これから起こる出来事に、起こった出来事に意識を向ける。
    ここで、この男の身体を取り戻す。絶対に。そう決めたのだ。

    「KK」
    『あん?』
    「僕はあんたが好きだよ」
    『は、……あ?オマエ、何言って……』

    背後に感じる気配。振り返らずとも分かる、痩せた男の静かな空気。空間が歪む。真白な霧に包まれたその場所に立つのは、空っぽの肉体。KKの、肉体。
    姿が変化する。鬼のような巨体へと成った痩男に、暁人は目を逸らさずに立ち向かう。
    誰よりも戦った貴方、認められずに孤独を選ばされた貴方。今僕から欲しかったものを与えよう。貴方は誰よりも強く、優しい人だと。僕を救い、手を差し伸べてくれた英雄だと。間違っても構わない。見失っても構わない。僕の信じた貴方ならきっと、やり直すことが出来るはずだから。
    暁人の猛攻に成す術もなく倒れた痩男。変化が解け、からん、と仮面が外れる。

    『オレ、の、身体……!』

    KKの動揺が黒煙の動きに現れる。暁人は静かに男に近付いて、その両手をかざす。

    『オマエ、何してる……?』
    「僕はこの為にここにいる。貴方を救う為戻ってきた」
    『何……?』
    「肉体を取り戻す為には、一度死んだこの体にまた生命の灯火を捧げなきゃならない」

    手のひらから青白いKKの身体へ、暁人のいのちが流れ込む。

    「だからKK、どうか怒らないで」

    KKの頬にじわじわと肌色が戻ってくる。代わりに、暁人の体から赤が抜けていく。

    「僕が貴方のために死ぬ事を選んでも」

    ぴちゃん。きらきらと流れていた光の雫が最後の一滴を落とす。暁人の身体がKKの横に力なく倒れた。
    ぴくりと震える睫毛。永遠に閉じられた筈の瞳が、己を愛した男の命で今再び開かれる。

    「ぅ、あ……」

    コンクリートの天井。異空間は解かれ、現実へと帰っていた。視界に映る右腕に己の最期に着ていた服が見える。左腕には赤、青、緑の三つの数珠。

    「オレ、は……」

    痛む頭にハッと思い出す。出会って間もない青年が、素性の知れない男一人に、そのいのちをささげた事を。
    横を振り返れば、静かに眠るその青年の姿があった。

    「おい、おい暁人」

    身体を揺さぶっても返事はない。呼吸を刻む音も聞こえない。胸を鳴らす心臓の動きも伝わってこない。

    「何してんだオマエ、こんな道半ばで、なあ暁人」

    KKを好きだと口走った。苦しげに聞こえたそれは、覚悟を決めた証でもあった。
    だがそんなことを言われたとて、今のKKにはどうもしようがない。“この暁人”の知る“KK”は、“この世界のKK”ではない。
    やるせない思いに暁人のシャツを握り締める。

    「怒るに決まってんだろ馬鹿野郎、言う相手を間違えてんだよ」

    ただ沈黙を守る暁人に、震える声でそう絞り出した。
    だって“オレ”はまだ、オマエを何一つとして知りはしないのに。だというのに、“オレ”に植え付けられたこの種はもう、心臓にまで根を張って、引き抜くことなど出来なくなっていた。
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    リョウ

    MOURNINGED後みんな生きてる世界線なのに幸せにならなそうな暁→→→→→Kくらいの暁Kです。
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    繋がらない想い 繋がれた糸「僕はKKのことが好きです。付き合ってくれませんか」
     アジトの一室。夜もすっかり更けて室内には僕とKKだけしかいない。
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     ついにきたか、とでも思ったのかな?
     そんな風に邪推してしまうのは、僕がKKに気があるということをあからさまに態度に出してきたから。

     あの事件の後——まるで何事もなかったかのように僕らは渋谷に戻っていた。みんな生きたまま。こういうのを奇跡と言うのだろう。そして、生身のKKを目にした僕は決意したんだ。絶対に彼を離しはしないと。
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