カップケーキの隠し味「グレイ、リラックスして?」
「は、はひ……っ」
パシャパシャとフラッシュがたかれる度に強ばるグレイの様子を隣で見るフェイスは、可愛いな、と呑気なことを考えているのだった。
事の発端は彼自身だというのに。
「へぇ、カップケーキの宣伝?」
「おー、何でも新作のショコラ味ってのがお前の好物だからって向こうから依頼があったらしいぜ〜」
「アハ、俺のファンでもいるのかな?」
「さぁな、明日にはメンターリーダー様に返事するように言われてるから考えてくれー」
「はーい」
ウエストの部屋でジュニアとディノがゲームをしている様子を横目で見ていると、隣で酒を飲んでいたキースが不意に仕事の話をしてきた。
これまでも、持ち前の容姿から様々な広告の依頼をされてきた。
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