ラーマがアクタルと再会するまでのお話。最近、あの青年と出会ったあの日の事が頭から離れないでいる。少年を助けたあと私たちは意気投合した。
「俺はあっちの工業地帯でバイク修理の仕事をしているから、今度寄ってってくれよ!」
「でも、君が見つけられるだろうか?」
「あんたは顔が綺麗で遠くからでも目立つから、俺がひと目で見つけてみせるさ!」
「そうか君も…(凛々しい顔…)
……はは、それだと助かるな」
彼と祭りの中を会話しながら歩いていて、ふと装飾の一部の鏡面に写った自分と目が合って驚いた。自分にこんな顔が出来るなんて…もう自然な笑みを浮かべることは無いと思っていた。
鏡に写った自分の顔を思いだすと同時に、彼の笑顔が頭に浮かんで離れず、探索の手掛かりを整理するために書いている日記も、今は思うように筆が進まない。
1898