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    リョ三
    なんか変な方向から始まりそうなリョ三です

    #リョ三
    lyoto-3

    迷探偵三井「三井サン。好きです。付き合ってクダサイ」

     いや、嘘だろふざけてんのか?
     棒読みだし、両手はポッケに入れたままだし、目なんてあの頭突きを思い出すほど凶悪で態度悪ぃし、つーかアヤコはどーした、アヤコは。
     あまりのツッコミどころの多さに思わずため息が出る。どうせ嘘、とわかっていても、一応告白の場面だ。ため息はまずい、と一瞬思ったが、宮城の視線が一層凶悪になったのを見てすぐに打ち消す。こんな態度なんだ。俺だって真面目にしなくてもいいだろ。

     さて、俺は三井、湘北の知性。
    考えろ。こんなふざけた告白を、宮城が突然してきた理由はなんだ?

    1.普通に好き
     俺はかなりのイケメンだから、思わず惚れちまうのもわかる。だが宮城は別だ。あんなことした相手を好きになれるわけがない。よって却下。

    2.罰ゲーム
     この渋々さからみてかなり有力な説。でも罰ゲームってんなら誰か仲間が見てるところでやるもんじゃねぇの?わざわざ「三井サン今日は残って」なんて朝から3年の教室に来てまで言うことか?いやー、なんかやらかしたかと思ってビビったぜあの時は。

    3.復讐
     あぁ、そうだ。俺はこいつに許されざることをした。今まで表面上は仲良くしてくれていたけど、まさかマジで仲良くしているわけがない。
    きっとチームのために穏やかでない心中を押し隠してきたのだろう。それが爆発した。赤木も木暮も居なくなって、新キャプテンに就任して。多くを抱え込みすぎたのだ。俺だって最近のこいつの視線には気付いていた。殺してやるとでも言いたげな目。
     爆発の方向が告白なのは謎だが、おそらくこいつの中ではすげぇ復讐計画が立っているんだろう。例えば……思いつかねぇしどうでもいいな。でも絶対これだ。

     ふっ、宮城よ。お前の思惑は全て読み切ったぜ。お前は俺にとにかく復讐がしたくてたまらないらしいな!

    「三井サン。なんとか言ってくださいよ」

    「おう」

    「っ………」

    「…………」

    「………………」

    「………………」

    「……………………」

    「……………………?」

    「ッいや『?』じゃねぇよ!こっちは待ってんスけど!?」

    「はぁ!?だから返事してやったじゃねぇか!『おう』って」

    「えっ……」

     一転。宮城はギャンギャン噛み付く猛獣の顔から、虚をつかれた表情になる。
     宮城の思惑がどうであれ、三井の返事は最初から決まっていた。というより、一つだけしか残されていなかった。
     宮城の気がそれで晴れるのなら、三井はバスケを止める以外のどんなことでも受け入れる。あの日、宮城の隣で頭を下げた時に密かに誓った思いだった。

    「付き合ってやる、って言ってんだよ」

    「……は……」

     言う通りにしたというのに、宮城は一歩後ずさる。
    自分から持ちかけたとはいえ、心底嫌いなヤツに実際に承諾されると拒否感が大きいのだろう。
     少し面白くなく、ふい、と顔を背ける。

    「なんだよ。嫌なら付き合わねぇよ」

    「嫌じゃねぇ!なん、つーか、その……マジでOK貰えると思ってなかったんで、驚いて」

     あー、やべ。まじ嬉しい、
    と。明らかに喜色を滲ませた声が、口元を覆う手の隙間から漏れ聞こえる。
     はは、こいつ復讐計画がうまく行きすぎて子犬みてぇに喜んでやがる。
    と、思った瞬間。
     宮城は子犬の顔を引っ込めて、またあの険しい復讐心丸出しの顔に戻って言った。

    「じゃああの……一緒にかえりません?」
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    穂山野

    DONE【リョ三】Sign

    インターハイが終わり、新学期が始まったころの幻覚です。
    二人がゆっくり距離を詰めていったらいいな、という幻覚をずっと見ていたので。
    二人で幸せを作っていってくれ…
    相変わらず拙い文章ですが、似たような性癖の方に届いたら嬉しいなあと思います…
    Signもう殆ど人がいなくなったロッカールームの小さな机で部誌を書いているとどこからか「宮城ィ」ともうすっかり聞き慣れてしまったデカい声がする。
    「なんすか?!」とこちらもデカい声で応じると「おー、今日一緒帰らね?」と毎回こっちがびっくりするくらいの素直な誘い方をするのが三井寿だ。
    最初はその理由がよくわからなかった。自分が部長になったことでなにか言いたいことがあるとかそういうやつ?と若干の警戒心を持って精神的に距離を取りながら帰った。でも三井にはそんなものまったくなく、ただ部活終わりの帰り道をどうでもいいような話をしたり、それこそバスケットの話なんかをしたいだけだった。
    最初は本当にポツポツとした会話量だった。家に着いてドアを閉め「あの人なにが面白えんだ?」っていうくらいの。そのうち誘わなくなるだろう、と思っていた。しかし三井はまったく気にしていないようで当たり前のように隣を歩いた。
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