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    ロバ耳

    @yfyy3744

    ジャンル雑多にする予定 何も信用しないでほしい

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    ロバ耳

    DOODLE米国同居時空
    テツ「具合悪すぎて草」譲「さよか(包容力)」みたいな話です 甘えられないテツを甘やかせるようにとても頑張っている譲くん
     人間の体とは実に面白いもので、綿密に計算されたスケジュールに則って行われる投薬治療でも体調のばらつきを完全に制御することは難しい。
     今日はダメな日だ、というのは、朝起きた瞬間から何となくわかっていた。これも興味深い話だが、長く患っているとわざわざ検査しなくともその日一日の具合くらいは予測できるようになってくるのだ。その予測が「今日は一日中ダメな日」だと言っていた。腹が痛い。頭も痛い。常に薄ら吐き気がする。そしてどうやっても薬が効かない。
     症状からして体内で何かが起きているわけではなく、恐らく気圧や天候その他諸々の影響で神経が過敏になっているのだろう。投与された痛み止めは量に応じた反応で苦痛を和らげようとしているはずで、しかし、痛みの信号を先に受け取ってしまった体は今更そんなお為ごかしを受け入れる気にならないようだった。『ここが悪いのだ』と病んだ臓器が悲鳴をあげている。鎮痛剤の副作用による眠気がある。ただし痛みが引かないので眠ることはできず、おかげで目の奥が酷く痛む。
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    ロバ耳

    MOURNING死んだ譲介があの世でKAZUYAに会う話

    !譲介がTETSUより先に死んでます。
    !KAZUYAさんがめちゃくちゃ出てきますが喋りません。
    この2点を筆頭に全体的に注意です。何でも許せる人向け。
    こんなん書いちゃっていいのか……?と何度も迷ったのですが、マァ私が読みたいんだからしょうがねーなと思い書くことにしました。
    さよなら大怪獣 やってしまった!

     譲介は頭を抱えていた。やってしまった、とんだ大失敗だ。もっと慎重であるべきだったのに。
     アメリカは銃社会だということは言われるまでもなく知っていた。格差があり治安の悪い地域もあり、アジア人への差別も決して少なくないと覚悟していた。財団の方からも度々注意するよういい含められていたのだ。学校や病院にほど近い住居を与えられ、どのエリアに立ち入らない方がいいかもしっかり説明を受けていた。譲介はKから託された大切な客人として、そして一人の学生として、たくさんの人から守られていた。だから自分でも、己の身をもっとしっかり守らなければならなかった。
     けれど。
     我慢できなかったのだ。いつものスーパーマーケットから帰る途中、真昼の往来で突如鳴り響いた発砲音。比較的治安のいい地域のはずだった。数年暮らして来て今までこんなこと一度もなかった。一瞬で頭が真っ白になって、それでもなんとか姿勢を低くして身を守ろうとした時、崩れるように倒れた女性の側で呆然と立ち尽くす少女の姿が目に入ったのだ。それでもうダメだった。助けることしか考えられなくなってしまった。無我夢中で飛び出して、被さるようにして少女を床に屈ませ、倒れている女性の脈を測ろうとした。
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    ロバ耳

    DOODLE一緒に暮らすうちに宗教観と死生観と金銭感覚がバカなってしまった譲とテツの話を書きました。
    みんな大好きメモリアルダイヤモンド!(まだなってません)(死臭の強い話ですがまだ死んでません)
    またしても何から注意喚起したらいいかわからないので、なんでも許せる人向けです。
    Happily Ever After「徹郎さんの宗派ってどこですか」
     譲介の忌憚なき問いかけに、徹郎は怪訝そうな視線でもって応じた。
    「俺が神なんてもんを信じてるように見えんのか?」
    「思想信条の話じゃなくてご実家の話です」
    「ンな昔のこたァ忘れたね」
     徹郎は気だるげな様子でベッドに横たわっていた。二人きりの病室。周囲を囲む物々しい機械の数々。専門知識がなければどれがどこに繋がるか見当もつかぬであろう大量の管。譲介はその間に紛れるようにしてベッド横のパイプ椅子に腰掛け、布団の上の空きスペースに頭を預けてぐんにゃりと力を抜いている。
     清潔を保たれているはずの病室にはぼやけた疲弊の匂いが停滞し、燦然と輝くLED灯の下であってもどこか薄暗く見えた。何を隠そう、譲介はとんでもなく疲れていたのだ。ここ暫くまともに眠れておらず、清潔を保つためにシャワーを浴びに帰る他はほとんど仮眠室と医局、そしてこの病室をローテーションしながら暮らしていた。同僚からも朝倉からも徹郎からも再三帰って寝ろと促されていたが、どうしても積極的に帰宅する気にはなれなかった。
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    ロバ耳

    DOODLE脳直出力したら当然のような流れでTETSUが元裸族になってしまいました(パジャマを着ている姿が想像できなくて……)
    抱き合って眠って欲しい欲に正直になった結果また譲介くんの情緒がぐにゃってますが、概ね幸せそうなのでいいかなと思っています。冷静に説得するより泣いて駄々こねた方がTETSUには効きそうだしね。
    時限爆弾との生活 あの人と再び同じ部屋に暮らし始める上で、お互いのプライベートスペースに鍵をつけることはしなかった。
     かつて二人で暮らしたマンションでもそうだったからだ。あの人の部屋にも僕の部屋にも鍵はなく、彼はよく勉強中の僕を部屋の入り口から眺めていた。覗き見というには些か堂々と。おそらく僕が部屋でまずいこと(社会的もしくは物理的な意味で)をしていないか都度監視するためにあえてそういう部屋を選んでいたのだろう。
     今度は全く逆で、彼が部屋の中でまずいこと(生命の危機的な意味で)になっていないか逐一確認するために僕がそういう部屋を選んだ。本来ならば告知されていたであろう余命を十年近くぶっちぎって生きている重病人と一つ屋根の下、返事がないとわかれば5秒で駆けつけられるようにしておきたいのは至極当然の運びだと思う。
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