好きだ、と言われた。本当は言うつもりはなかったがと前置きされて。
「オマエの今時信じられねえくらい真っ直ぐで純粋で、他人……いや人だけじゃねえ動物や妖怪でさえも手を差し伸べられる優しさにオレは救われた。オレだけじゃねえことはわかってる。それでもオレは、オマエの特別でいたいんだ」
その言葉は本当に嬉しかった。僕も同じ気持ち、KKの特別でいたかったから。
「本気で大事にするから……オマエの人生をオレにくれ」
だから小さな違和感には気付かないフリをした。
それから僕らは恋人同士になって、でもそんなに僕たちの関係は変わらなかった。
元々男同士で相棒かつ師弟という関係で二心同体だったせいで麻里や凛子さんに何度も「距離が近い」と注意されてはどこがだろうと顔を見合わせたものだった。それに表の職業は刑事と新入社員で、裏の副業が祓い屋なんて未だにファンタジーかつ過酷な世界にいるせいで二人きりで夜の街を駆け回り朝まで過ごすことは珍しくなかった。
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