无明确左位【夏日】“好————热啊！！”
又一次，尾音拖的长长的但仍然尖锐响亮的哀嚎穿透了我的鼓膜。在伴着这一声哀嚎的还有游戏手柄被扔到地上的闷响和人一下子躺在木地板上的声音。
啊……是我的女朋友啦。
“一斗……你已经喊了很多次啦。再怎么喊也不会变得更凉快一点的。”我瞟了她一眼。她正大字瘫在木地板上，好让自己身上的热量被带走更多。一如既往的任性又暴露的着装，白色透明的小短衫打个结扎进内衣下边，短到浅浅遮住三角内裤的热裤。鬼族特有的艳丽鬼纹穿入她的短装之下，又穿出来，勾人心魄。平时她一定会戴上那些她喜欢到不行的色彩斑斓的手环手镯脚环腿饰，还有鲜艳的各种小发卡，把发尾粉红而别的地方都染成白色的长发披着，时不时用手抚一把秀发，衬托一下自己精心涂成渐变黑的美甲。当然——这是一般情况。现在她已经热到要忍痛舍弃那些装饰物了，比起那些，她现在最爱不释手的应该是手上的粉色小风扇。果不其然，在地上躺了不到一会儿她又烦躁地爬起来，光着脚向冰箱走过去拿不知道是今天第几根的冰棍儿。

それでも彼は愛を持っている「傑、スクランブルエッグと目玉焼きどっちがいい？」
「オムレツをお願いするよシェフ」
　もう何度目かわからない朝の風景だが、こんなやり取りをするたびに人間変わるものだなと実感する。
　学生のころの悟はそれは寝穢なかった。朝食をとる時間があるならとにかく寝たいというタイプで、こんな風にゆっくり朝食を、しかも悟本人が作ってなんて想像も出来ないものだった。
　それが今や選択肢にない料理も作ってくれる名シェフとなっている。
　10年の月日の長さをここまで実感することはそうそうない。
「はい、おっ待たせー」
　語尾にハートマークでもついていそうなテンションの高い声。これも学生時代は決してありえなかった光景だ。あの頃の朝の悟なんて人語を介することが出来れば上出来というありさまだった。何度首の上下だけでその意思を確認したことか。

溶けたマシュマロとパンケーキの隠し味　　　　　３

「休みなのにアンタたちと顔合わせなきゃいけないの、何かの罰ゲーム？」
　しかめっ面の歌姫に、五条が舌を出した。
　燦々と降り注ぐ太陽光が容赦なく肌を焼く。硝子は手のひらを目の上にかざした。普通に眩しい。五月の晴天を舐めていた。
　街はようやく起き出したところだった。休日の東京の朝は遅い。開店時間前に繁華街を歩く人は少数だ。怠惰な休日にはふさわしい。連休で旅行に行っている人も多いのか、繁華街はいつもより少しだけ控えめだ。近くの改札から吐き出される人数もなんとなく少ないような気がする。
　眩しいので、硝子は少し移動して五条の影に入った。こういう時は無駄にある身長が役に立つ。
　あまりに有名な犬の銅像の前で、四人は集まっていた。

夢「歌姫の肌ってどんどん綺麗になってくね」
ベッドで仰向けになった自身の内腿に頬を擦り付け男が囁く。いつもと違って交わる目線は遥か下。この男にこんな体勢で見上げられることになるなんて思いもしなかった。ヒステリックと子供のようにからかう同じ口から色気の混じった褒め言葉を紡がれても、たまに持つようになったこの肉体関係だけを意識して以前より増して美容に励むようになっただなんて口が裂けても言えない。
偶然の２人きりの飲みの席からなし崩しでこんな関係になってもう1年は経つだろうか。それでも普段後輩に同情でタダで抱かれるのはあまりに惨めったらしく、不健全さは増すがせめて金を払わせてくれとこちらから懇願して形式上"買っている"ことになっている。最近耳にするようになった"パパ活"という言葉に敏感になり口酸っぱく教師としてその身の価値と大切さを日頃自分に説かれている女生徒はこの関係を知ったらどう思うだろうか。