合点承知で自覚して◆◆三木◆◆
自分がケーキであると自覚したのは、22歳の時だ。
ケーキやフォークについては学校の授業や映画や漫画、小説などで知識を得て、現実にいるのは知っていた。だがフィクションめいた存在として感じており、まさか自分とはと、襲ってきたフォークを踏みつけながら驚いていたのを覚えている。
そのフォークを警察に突きだし、次の仕事までの間にケーキやフォークについてスマートフォンで調べた。
フォークは特定のもの以外は味を感じる事ができない。
その“特定のもの”が、ケーキであり、ケーキは菓子の味がする。フォークにとってケーキ以外のものは甘いとは感じない。
ケーキ現象もフォーク現象も現段階では人間にしか発現がみられず、両者個体数が少ない為、研究が進んでいない。
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