「おい。」
「うぉっ、な、ど、どうした??」
「何ぼーっとしてんだ。俺の話聞いてたか?」
「えっ!?あ、わ、悪い……。」
気が付くと書類を片手に眉をしかめる彼が居た。
ため息を吐いてかけていた眼鏡をくいと上に上げているのが見える。
「昨日の総会が応えたか?」
「いや、そんなことねえよ!」
「油断してるとまた土下座して痛い目見るぞ。」
「う………、ほんと、……馬淵は痛いとこ突くよな……。」
「事実を述べてるだけなんだが。」
「ぐうの音も出ねぇ…。」
今こうしてやりとりしている彼は自分の友人である趙の右腕である馬淵。
趙のまとめている組織は異人三の勢力の一つで彼も所属しながらシノギとして自身で持つ会社を経営している。
そんな彼をこうして自分の会社で働いてもらっているのは彼の経営能力の高さを買ったからだ。
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