晴れたら青い空が少しずつオレンジに傾く。それが混ざり合い、街を深い闇に沈めていく。
僕は一日の中でその時間が一番好きだった。
太陽の日差しは僕の肌と目を焼き、「お前は日陰の存在なのだ」と指を指す。だから、太陽が死ぬ夜が好きだ。
そう思っていたのに、いつからか、太陽は僕に指を指すどころか、日差しの下に連れ出すようになった。
「アンドルー!明日、晴れたら海に行かないか?」
ルカを見ていると、眩しくて目はチカチカと点滅するし、彼の視線は僕の肌をカッと赤く染めるからルカは僕にとって太陽と同じだ。
そして、荘園でルカと出会ってから、一番好きだった太陽の死ぬ時間……夕暮れが怖く感じるようになった。
ルカは、事故の後遺症の頭痛に苦しんでいる。発作が起こると、いつもは眩い瞳からは輝きが消え、ドロドロとしたものが体から染み出す。その染みが地を這って僕の心を暗闇へと引き摺り込む。
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