ノワホワサンド 草木も眠るような夜、そう広くないベッドが三人の体重にキシキシと軋む音が暗い部屋に響くのを朦朧とした意識で聴き取った。
「ぁ……え、」
意識がハッキリした事で、自分がさっきまで気を失っていた事がわかった。途端、ずるりと胎内から大きなモノが抜ける感覚に身体がふるりと震えた。
「あ、ガット起きた」
「んぁ……ホワ、イト……?」
至近距離で柔らかく微笑む髪も肌も白い彼、ホワイトが戯れるように目蓋や頬に何度もキスを落としていく。
身体はたくさん運動をした後のように怠くて、キスの雨を降らせてくるホワイトを押さえるのも億劫なほど疲れている。
「ね、ガット、まだ休むには早いよ」
「……え、なん、あぁぁぁっっ!!」
後ろから伸びる手に腰を上げさせられたと思えば中を無遠慮に暴いていく熱さにぼやけていた意識が一気に引き戻されてしまう。
「ノ、ノワール……っ」
「はぁ、ガット……」
……そうだった、今は、この二人からの快楽に晒されている真っ最中だった。
思い出してしまうと全身に痺れるような官能が駆け巡り、ビクビクと中を震わせながらノワールの熱杭を強く締め付けてしまう。背後でノワールの息を呑む音が聞こえたが、こっちはそれどころではない。
気を失うまではホワイトに抱かれていたが、その前はノワールだった。なのに、身体を貫く熱の硬さは萎えた様子も無く、交互に出された精液が胎内の奥でくちゃりと水音を立てた気がした。
「ガット、動くよ……」
「あ、ゃ、まってぇ……」
「頑張ってガット。こっちも触ってあげる」
中でゆっくりと動き始める熱は着実に官能を積み重ね始め、それどころか前にいるホワイトは中途半に開いていたシャツのボタンを全て外すと胸の飾りを指で優しく転がし始める。
「あっ、や、ちくび、だめ……!」
「かわいい、ガット。まだ触ってなかったのに、もう勃ってる」
「んんっ、あん、それ、きもちい……から……」
「ガット、こっちも」
ノワールの手で腰を引き寄せられると熱が更に奥へと入り込んでいき、こつ、こつ、と最奥を優しくノックする。
「あぁぁっ! 奥、だめ、また、入っちゃう……!」
「ホワイトだけはズルい」
動きは優しくゆっくりなのに、確実に奥の行き止まりから先へ入り込もうとする動きは気を失う前の官能を嫌でも思い出させ、イヤイヤと首を振っても身体は徐々に彼の熱を受けいれようと奥が開いてきているのが、きっと彼にも伝わっているだろう。
それを想像してしまうとまた彼の熱をキュッと締め付けてしまう。
「大丈夫だよガット、奥もいっぱい気持ちよくなろうね」
「ぁえ、やら、またおかしくなっちゃう……」
「おかしくなって、ガット。一緒に……」
ノワールの荒い呼吸が背後から耳に掛かる。彼も気持ちいいのだろうか。
「ん、ノワール、も、きもちい……?」
「あぁ、気持ちいいよガット。だから……」
「んあぁぁっっ……!!」
熱が抜けるギリギリまで腰が引かれたと思えばごちゅんと派手な水音を立てて熱杭が奥深くへと突き立てられる。
再び意識が飛んでしまいそうなほど強い刺激に目の前がチカチカと瞬いて、遅れてノワールの熱が奥深くまで入り込んでしまったのを感じる。
「……うっわ、きつ……!」
「あ……あ、」
「もう、ノワールは荒いんだから! ガット、まだ大丈夫?」
多分、イってる。
きゅ、きゅ、と中が痙攣しながらノワールの形がハッキリとわかるほど強く締め付ける。強い快楽ですっかり思考は白んでいくのをホワイトが声を掛けて引き戻す。
「あぁ、もう、出したのも溢れてきちゃってる」
ホワイトが太腿に手を這わしながら溢れ流れてきた白濁を指で掬い、目の前に見せつける。
でも、官能に染まってしまった思考ではそれにも身体は反応して中でノワールを締め付けてしまう。その度に中の熱も脈打って、ノワールも感じてくれているのだと思うとお腹の奥の奥が不思議と切なく疼く気がした。
「ほら、もっと動いてあげてノワール。ガットがもっとって顔してるよ」
「ん……」
うつ伏せだったのがホワイトに上体を抱き起こされる。ホワイトに凭れ掛かるようにして縋り付くと示し合わせたように腰をノワールが掴む。
「ぁ……ノワール……」
「ガット、」
「っ、あ、おく、だめぇ……!」
「くっ、ぅぅ、ガット……!」
下から突き上げるようなノワールの動きに何度も奥の行き止まりを雁首が通過して、ひと突きごとに強い快楽が襲い、意識が飛びそうになるのを前からホワイトがキスや胸の飾りへの刺激で繋ぎ止める。
ずっと果てたまま戻ってこられない感覚に、前からはぷしゃりと精液なのか潮なのかわからない体液が溢れ、ホワイトの服とシーツを濡らしてしまうのもわからずにただただノワールに貪られるまま身体を差し出してしまう。
「んっ、く、ガット、出る……っ」
低く、短くノワールがそう呟くと埋められた熱が一瞬膨れ上がり、奥の奥で熱を植え付けらる。
あ、と間の抜けた声が唇から溢れ、追って下半身が自分の意思とは関係なく痙攣しっぱなしで、ノワールが腰を引いて中から熱を抜いても余韻はなかなか治らずぐったりとホワイトに身を預けた。