沈んで、揺蕩って① 息を乱しながら絶頂の余韻に蕩けながら、続いて下腹部の圧迫感が無くなっていくことに名残惜しさを覚える。少しの間を置いて、後始末を済ませた四季が三宙の隣に寝そべった。わざわざこちらを向いて着地するものだから着地点が近すぎて、頬を撫でていく毛先がくすぐったい。
「暑いってのにくっつきすぎ」
「まあ、昼に外歩いた時より汗かいたか」
眠るまでの気だるいこのひとときが好きだった。心も身体も交えて、お互いに満たして満たされたことがより確かになるような気がしていた。
「ほんとオレのこと好きだよなー」
うるさい程に蝉が鳴いていた昼間とは違い、夜の空気はひっそりと静まり返っている。
それは、気だるさの残るこの室内も例に漏れず。発せられた声音が持つ心の機微さえも含めてよく聞き取れるようだった。
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