流川楓はすべてを手に入れたい 流川楓は、幼い頃から物欲のない子どもだった。
まだ三歳になったばかりではあるが、彼への誕生日プレゼント、クリスマスプレゼントには何を贈ろうか、両親は流川が三歳を迎えるまで毎回頭を悩ませていたのだ。正直何をあげても無表情、無反応は当たり前で、一番好きなものは睡眠だというお金のかからない子どもだ。それを証明するように、起きているのはご飯の時間くらいだと彼の母親は言う。
しかし寝てばかりでは体に悪いのではないか……そう悩んだ母親は、流川が歩けるようになった頃から暖かい時間帯で幼い流川を近所へ散歩に連れ出すことにした。それはやがて幼い流川の習慣となり、三歳になった今でも続いている。
三歳になった流川は歩くことが得意になっていた。道中を黙々と歩き続け、母親や父親の体力の方が先に根を上げてしまうこともあるほど、足腰がとても強く成長していたのだ。
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