波打ち際の天使or小悪魔「うわあ、大きい波が来た!ねえ子琛!」
子どものようにはしゃぐ暁星塵に思わず宋嵐は苦笑を零す。山育ちの彼は今時珍しく実際に海を見たことがないというから連れて来たのだ。
真夏日が続くけれど海水浴にはまだ早く、サーフィンする人以外は星塵と同じように波打ち際で波と戯れている。
「そう言えば、星塵は泳げるのか?」
「もちろん!」
「それはそうか。海じゃなくてもプールがあるし、体育の授業でも水泳はあるからな」
我ながらバカなことを訊いたと宋嵐は独り言つ。すると星塵から続けて予想外の言葉が返って来た。
「海と違って、川はこんな風に波はなかったけれど。ただ気を付けないと急に深くなったり流れが急になって……子琛?変な顔をしているけれどどうかした?」
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