いつかの夜 2 体中を蝕んでいくような痛みを人生で初めて経験した。
こんなに鋭い痛みを未だ自分は知らない。
皮膚を裂かれ、肉を切られても。きっとこんな風には痛まなかった。
きりきりと心臓が捩れあがる。
こんな形での決別を、どうして思い描く事ができただろう。
( 東卍が解散しても、オレは、オレ達はアイツの元で一つだと思っていた )
あの底なしの闇よりもっと深く沈んだ黒い瞳には誰も映って居なかった。
隣に居る事が当然で、対峙する事はなかった。だから、その瞳の闇を真正面から覗き込んだとき底冷えするような絶望がその場の皆を飲み込んだ。
「くそが…」
何故、自分を強いと思ったのだろう。何故、マイキーと並び立てると思ったのだろう。余りにも次元の違いすぎる殴り合いは一方的だった。止めようとしたペーは一撃の蹴りで地面に倒れこみ動かなくなった。
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