現パロその1 またダメだった。
暗い夜道を歩きながらぼんやりとテストの結果を思い返す。もうすぐ受験だと言うのにこの頃の成績は右肩下がり。お母さんの冷たい目を思い出して見せたくないなあ、と心の中でぼやく。
ぐらりと体が傾くのを感じる。と思うのに上手く体に力が入らない。ああこれは転ぶなあなんて思っていたら何かに受け止められた。
「おい、大丈夫か!?」
男の人の声が聞こえる。意識がぼんやりして、大丈夫とか、何でもないとか、そんな簡単な言葉すら出せない。
「……ア…!」
ああ、瞼が重い。最後に寝たのいつだっけ。
気がつくとベンチのようなものに横になっていた。目だけを動かして周りを見る。するとすぐ側に誰かが立っていて、驚いて飛び起きた。その瞬間ぐわんぐわんと大きく揺さぶられるような感覚に襲われた。
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