何色なのか「知ってますか、少年。運命の赤い糸って、実在するんですって。しかも、縁の糸は赤以外にもたくさん種類があるそうですよ」
「へえ……」
この世には、フィクションだと思われている妖怪だって当然のように存在するのだ。現に今、俺の目の前では猫又が俺のベッドの上で我がもの顔でくつろいでいる。
だから、縁の糸が存在したとしてもなんら不思議ではない。
「……で、それがどうしたんだ?」
「別に。先日、出雲のお祭りで縁結びを司る神様から聞いたのをふと思い出したので」
なんで神様の集まりに猫又が顔出してんだ……なんて、聞いてもろくな答えは返ってこないんだろうな。
「縁の糸ねえ……」
はてさて、俺と猫又を繋ぐこの悪縁は果たして……?
お題【つなぐ】
(三〇〇字)