Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    o_juju_Pd3fJ

    @o_juju_Pd3fJ

    ゆちょのえっちなやつとか小説とか落書きとかラフとか置く場所

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 🍀 🍏 🍵 💵
    POIPOI 88

    o_juju_Pd3fJ

    ☆quiet follow

    某チーiム友i達の歌に出てくるワードの意味がさって最近笑ってる……

    ヤタ兄(仮)2悠仁は学び舎の机に突っ伏しながら大きな羽を眺めていた。あれから、記憶が次々と蘇ったのだ。脹相は悠仁が中学に上がる頃まで度々悠仁の元を訪れ遊び相手になってくれていた。時にはあの異形の者たちに会いに、時には呪霊に襲われそうになったところを助けて貰ったり。
    脹相といる間は彼を兄のように慕い、脹相もまた悠仁を弟のように可愛がってくれた。
    しかし脹相は悠仁が思春期に差し掛かる前に姿を現さなくなってしまった。最後に会ったとき、彼は言った。

    「悠仁はもうすぐ大人になる。俺と見たものは忘れなければいけない」
    「どうして?」
    「悠仁は人間だからだ。人間は人間の世界で生きねばならん」
    「脹相も人間じゃん、羽根はあるけど」
    「俺は人間じゃないと、……悠仁」

    脹相が言葉に詰まったのは、悠仁の大きな眼からポロポロと涙が零れたからだ。父母が居なくて寂しいとき、祖父も甘えさせてくれず悲しいとき、自ずと大人にはわがままを言ってもしょうが無いのだ、とどこか達観して過ごしてきた。それがどうだろう。脹相に会えなくなると分かると駄々をこねて彼を引き止めたくなった。脹相はしゃがんで悠仁の目線に合わせると指の腹で涙を拭ってくれた。

    「脹相はどうしたら人間になれるん?」
    「どうしたら……そうだな、契りを……契りを結んだら今の場所(立場)からは堕とされるかもな」
    「契り?」
    「約束だな、俺が神のモノから悠仁のモノになります、と約束することだ」
    「じゃ、約束して」
    「それは悠仁が大きくならないと出来ないことだ」

    その上それなりの覚悟も要る、とまでは伝えないでおく。脹相はただ微笑ましかった。2000年生きた彼は戯れにこうやって子供を構うときがある。おそらく元来子供が好きなのだ。この子も記憶を消して大人になってしまえば彼の事等思い出すこともなく短い一生を終えるのだろう。脹相は子供の頭をぽんぽんと撫でると別れを告げる。

    「間もなくこの記憶は無くなる、悠仁は大人になる」
    「やだ!大きくなったら約束しに行く!」
    「そうか、じゃあ大きくなっても悠仁が俺を思い出せたら約束をしようか」
    「!絶対な!」
    「約束の約束だ」

    脹相にとってはこれもまた戯れだった。悠仁も記憶を消せば人の世に紛れてそのまま。もう会うこともないだろう。彼は今度こそ別れを告げ空へと消えていった。



    この羽を貰ってから半月ほど経つ。悠仁は、あの呪霊を祓っのは自分ということにして脹相の存在は高専には報告しなかった。呪術師の立場からして彼の存在がどのような扱いになるのか分からなかったからだ。
    また会いたいと言うと彼はわざわざこの羽を寄越してくれた。また会おうと言う事だろうとは思うものの待ちぼうけの状態だ。

    「はあ……」

    羽を弄びつつため息をつく悠仁を遠目に釘崎が伏黒を小突く。

    「どうしたのよ、アレ」
    「さあ、仙台から帰ってきてからおかしいんだよな」
    「……患ってんのね」
    「患っ……そういうことか?」
    「何か出会いでもあったわけ?」
    「いや、山ん中歩いただけだけど……」

    首を捻る二人を他所に悠仁は尚も考え込む。徐にスマホを取り出しとあるワードを検索する。出てきた検索結果のそのワードの意味を眺め、再びため息をつく。彼はまだ現れない。








    その日は休みで、伏黒も釘崎も都合が付かず、悠仁は1人で買い出しに来ていた。自炊用のの調味料や消耗品を粗方買い終え、映画でも観ようかとフラフラ街を歩いていた。映画館のまえで上映中の作品を眺めていると隣に人が立った。いや、人でも呪霊でもない、と思わず距離を取るとそこには彼が立ったいた。

    「脹相」

    脹相にはあの大きな羽根が無く、髪も後ろで一つに結い、白いセーターに黒いチノパンという普通の若者の出で立ちだった。彼はようやく会えたなと微かに微笑んだ。

    「なに、その格好羽根は」
    「羽根は隠せるんだ、人間に化けることも出来る」

    凄いだろう、と胸を張る脹相。

    「凄いだろう、じゃなくてっ!なんで待ってたのに全然来てくれねーんだよ!俺から会う術は無いってのに」
    「悠仁はずっと高専にいるからな、俺は自分からあそこに入れないんだ。あそこは呪いが強い。俺とは逆の世界だ。」

    逆?とは?高専で教えて貰ったばかりの知識を総動員するも脹相の存在はやはりその枠外のようだった。そういうものか、とそのまんま受け入れることで悠仁は納得することにした。

    「今日はまだ時間はあるか?会う術を教えよう」

    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💖👏👏👼👏💘💘👏👏👏👏👏🙏💖
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works