彼らはシャンパンとカヴァ。 無駄だ、と思うことは嫌いだ。けれど目標があって、それに向かって努力するのは嫌いじゃない。
手に入れるのが難しいものを望んだら、絶望したり落ち込んでたら始まらない。それこそ、無駄な感傷というヤツ。
頭を使って考えればいい。どこをどうしたら、欲しい物が少しでも手に入るか。効率良く、確実に。おれはそこが兄と違う。あの人は思慮深いけど臆病者。
だいたい、0か100で考えるからいけない。最初は50でも、そのうち100になるかもしれないんだ。
愛情だけ、なんて抽象的だろ。肌は重ねてこそ意味がある。
宇髄家の食卓は賑やかだった。女性が三人も揃うと自然かもしれないが、彼女たちも宇髄も、招いたからには人を楽しませようという精神がある。おかげさまで、思ったよりは気まずくなかった。あとは杏寿郎自身が何も考えずにいればいいだけだ。
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