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    KOKIA

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    秋桐シリーズものです。
    時間軸は、タイトルの横に記載します

    #秋桐
    qiuTong
    #腐が如く
    #秋山駿
    hayaoAkiyama
    #桐生一馬
    kazumaKiryu

    #1悪夢(6〜7)「ま、待って!!!」
    秋山はベッドから飛び起きた自分に、ため息をつき頭を抱えた。もう幾度となく同じ悪夢を見続けている

    【桐生一馬が死んだ】

    ある日突然告げられたその言葉に秋山は後ろから鈍器で頭を殴られた様な衝撃を受けた

    しかしすぐに思い立った
    あの桐生が死ぬ訳がない、何かきっとのっぴきならない事情があってそういうことになっているんだ
    だが、桐生の命が尽きた現場に居合わせた人間がいたとか、名のある医師の死亡診断書だとかそんな程度で桐生に近い人間がみなその死を信じ受け入れている様だった。
    堂島大吾、冴島大河、そしてあの真島までもが桐生の死を受け入れていた

    そう見せているだけで皆何かを隠している。そう思って暫く3人の動向を調べていた
    が、3人を調べているうちに知った極道大解散。それに向けて東城会幹部はドタバタと動いていた。
    まるで桐生の死は終わった事の様に..

    「伊達さん!」
    「ん?あぁ、またお前か。何度聞いたって同じ事しか答えてやれないぞ」
    「おかしいじゃないですか!有り得ないですよそんな説明で納得する訳ないでしょう」
    「納得するしないじゃねえんだ。桐生は死んだ、俺もこの目で確認したんだ」
    「そこですよ」
    「あ?」
    「あんたしか居ないのがおかしいって言ってるんです!あんたは一番誤魔化せる人間だ、政府と警察なら白も黒にすることなんて簡単でしょうからね」
    「なぁ秋山。お前が桐生を慕ってる気持ちは分かる勿論お前らの関係も薄々気づいてたさ、だけどこればっかりはしょうがねぇ、受け入れるしかねぇんだよ。大吾冴島真島だってもう受け入れたんだ、お前だけなんだぞ」
    「俺が極道じゃないから言えないんですか」
    「そーじゃねえよ、俺だって桐生を失ったのは悔しいし悲しいさ!けど仕方ねーんだ!」
    「.....チッ!」

    秋山は盛大に舌打ちをしてその場を離れた

    もう伊達に何を言っても無駄だろう、だが桐生は死んでいない。伊達は「悔しい」と言った
    勿論、死んだ友に対してそういう言葉も無くはないかもしれないが、"失って悔しい、けど仕方ない"という伊達の表現はどう考えても腑に落ちない

    「やっぱり生きてるって事だろ」
    タバコに火をつけ空を見上げた
    「俺は諦めませんよ桐生さん。あんたが何処にいても必ず見つけ出す!俺を裏切って捨ててった事、謝ってもらいますからね」

    煙を吐くと同時に涙が流れた
    「俺とアンタが過ごした時間、死んだなんて馬鹿みたいな話で無かったことになんて出来ねぇよ..桐生さん..どこにいるの..」

    ▫︎▫︎▫︎▫︎
    1年経っても相変わらず悪夢は毎日続いていた。
    まともに寝れない日々に身体は慣れてしまったが気力がもたず仕事もほぼしていない。
    新規の客は全て断り、エリーゼもその他の経営店も全て権利を手放した。
    便利な世の中だ。スマホさえあれば金だけは回せる
    唯一の社員には好きな額いくらでも退職金を出すと言ったが俺が心配で目を離せないとか何とかで残ってくれている。
    集金にも行かない俺といても仕方ないのに
    「ハナちゃん、もうあがっていいよー集金はテキトーに行くからさ」
    勿論行かないこともバレているけど彼女は以前のように口うるさくなくなった。
    あの元気が彼女の良さだったのにそれも全部俺のせいだ
    「分かりました。じゃあ、また明日、よろしくお願いしますね」
    「、、、あぁ」
    "また明日"に力が込められてる、俺がちゃんと来るか不安なんだろう
    帰り支度をすませドアに手をかけた所で彼女が振り向いた
    「.....秋山さん、私じゃダメですか」
    「え?」
    「私は、ずっと側にいられます。だからもうー」
    「ハナちゃん!!」
    彼女の言葉を無理やり遮った。それ以上は聞きたくないと語気の強い言い方をして無言の圧力をかけた
    「....お疲れ様でした」
    肩を落として悲しそうな顔をして出て行った
    閉まったドアを見つめ深いため息をつく

    彼女が言いたい事は分かる。気力もなく落ち込む俺を毎日見ているのはしんどいだろう桐生さんのことは忘れて前を向けと言いたかったのかもしれない
    そしてその裏にある心理も俺は知らないふりを突き通してきた
    でもきっと頭のいい彼女はさっきの俺の一言で全てを察したと思う

    もうここに戻る事は無い
    『後のことはお願いするよ、金庫の金は好きに使ってくれていいから。最後までだらし無い経営者でゴメン。元気で』
    短い書き置きと、額面白紙の小切手を机の上に置き店を出た

    「ごめんねハナちゃん、君は悪くないけれど俺はあの人が居ないとダメなんだ...」

    何の情報も得られない、あの人のいないこの街に居ても仕方ない
    俺はその日を最後に神室町を出た
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