「あのさー! 今日、クースカちんの所だけ雨降ってた?」
「何言ってんの?」
惜しまず軽蔑の視線と言葉を叩き付けてくる辛辣男。懲りずにウェイウェイ鳴きながら絡んでいるジャロップの忍耐力、もとい人の話聞かないムーブにより、クースカは溜め息以外に吐き出せるものが無くなってしまった。
「恐らく、日傘だろう……ブログに書いてあったぞ……です」
「ユーもよくウォッチしてるね。ひょっとしてボークのファン?」
「情報源としてだけなら信用している……です」
明確に区切られた含みのある一言が厭味を内包している事は、クースカ程の明晰な男であれば容易に察せられた。
「まあ、あの記事はインプレッション良くてね。高単価だからアフィも上々。リカオも外回りしてるし、一本くらい持ってた方がいいんじゃない? そうだな、ボークがリカオにレコメンドするなら、三番目に紹介してたやつ」
「今の話を聞いてリンクを踏むやつが何処に居るんだ……です」