一緒に寝る話「どうしたの?こんな夜遅くに」
「もう昼だっての」
日常から閉ざされてるような部屋だった。
最後に掃除したのは確か1週間前だったか。床にはすでに研究資料であろう紙束や本が散乱していて足の踏み場がない。
日差しを遮断してるせいで外の明るさに部屋の主が気付くことはない。
マークが勢いよくカーテンを開き、窓を開ける。薄暗い空間に、明るい日差しと新鮮な空気が流れ込む。
「眩し……」
「日の光には慣れろ。いつまで引き篭もってんだ」
「ごめん、手が離せなくて……」
「顔は出せ。食事はとれ」
「とってるよ」
「お前のそれはとってるって言わねーんだよ……」
明るくなった部屋でようやくフィリップの顔を確認する。目の下には隈が出来ていて、髪も無造作に結っているだけだった。
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