幕間の楓恒⑱最後の敵を飲み込んだ蒼龍の姿が消え、敵がいなくなったことを確認すると三月と星は重たい息を吐き出した。
今日は簡単な討伐の依頼で丹恒、三月、星の3人で来ており丹恒の付き添いで丹楓も同行していた。戦闘中、3人の手に余る敵を丹楓が片付けてくれていなかったら無傷ではいられなかったかもしれない。
三月と星は街に寄って何か甘いものを食べに行こうと言い出し、丹恒と丹楓より少し先を歩いている。
丹恒は隣に並び立っている丹楓の姿へちらりと視線を向けたあと小さく息を吐き出した。
思っているよりも心配性らしい丹楓は先程の戦闘のことを考えているのか難しい顔をしている。あとで力の使い方について言われるかもしれない。
この場にこれ以上居ても意味は無いと丹恒は意識を切りかえようとしたが、難しい顔をしていた丹楓の指先がゆっくりと自分に向けられ髪の毛を掬う。
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