15min.writing マイイカ版まとめ1:寝る前に君と
白い夜
「うぅ〜っ、さむ……なぁきりゅー、ほんとに去年もこうやって過ごしてたの?」
カイはマグカップを両手で包みながらこたつにやってきた。ストーブも何も付けていない部屋は驚くほど冷える。こたつに潜り込むとふるりと全身を震わせた。既に飲み物を用意していたキリュウは先にこたつに入っている。正面にいるカイをちらりと見、キリュウは頷いた。
「うん」
「よく耐えられんなぁ」
「慣れた」
キリュウは湯気のたつマグカップにしつこいほど息を吹きかける。おそるおそるカップを傾けるが、びくっと肩を震わせてカップを戻した。
「まだ熱かったか」
後から来たにも関わらず、カイは平気そうに中身を口に入れている。キリュウは羨ましいのか恨めしいのか分からない目でそれを一瞥すると、窓の方に視線を移した。
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